第41回 ダウ平均レバレッジ・インバースETNと、東証マザーズETN 【ETF解体新書】

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第41回 ダウ平均レバレッジ・インバースETNと、東証マザーズETN 【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。テレビのニュース番組を観ていると、番組の最後で必ず紹介される経済指標があります。それは円/ドルの為替レートと、日経平均株価、アメリカダウ平均の終値です。2012年4月に日経平均レバレッジETF(1570)と日経平均インバースETF(1571)が国内市場に上場しました。このレバレッジ・インバースETFをきっかけに、ETF売買における個人投資家のシェアが上昇したと云われています。そして今年の10月28日、米国ダウ平均(ダウ工業株30種平均)のレバレッジ・インバース型ETNが東京証券取引所に上場を果たしました。「NYダウ・ダブル・ブル・ドルヘッジETN」(2040)と、「NYダウ・ベア・ドルヘッジETN」(2041)です。2040はアメリカダウ平均の1日あたりの変動率の2倍の値動きを目指します。一方、2041はダウ平均の1日あたりの変動率のマイナス1倍の値動きを目指します。ただし両ETNとも連動を目指す指数は、米ドルと日本円の為替リスクの回避(ヘッジ)を目指すもので、ETNの名称にも「ドルヘッジ」と記されています。両ETNが登場したことで、アメリカの株価指数の動向を睨みながら、レバレッジをかけた投資、また、米国株の下落にヘッジをかける投資が可能になります。

続いて、同じ日に上場を果たした「東証マザーズETN」(2042)をご紹介しましょう。当該ETNは東証マザーズ指数との連動を目指します。東証マザーズ指数とは、東京証券取引所が新興企業向けに開設している「マザーズ市場」に上場する全銘柄を対象とした株価指数のことです(時価総額の小さい企業が多く含まれるため、値動きが激しくなる傾向があります)。これまで東証マザーズCore指数との連動をめざす東証マザーズ・コアETF (1563)がありましたが、当該ETFは15銘柄のみで構成されるため、銘柄分散にやや不安がありました。一方、東証マザーズETNは計186の企業から構成されています。業種別では「ヘルスケア」「情報技術」で組み入れの約7割を占めています(ヘルスケアにはバイオ関連も含まれます)。上記ETNを活用すれば、たとえば日経225ETF(1321)+「東証マザーズ ETN」(2042)といった組み合わせや、トピックスETF(1306)+「JASDAQ-TOP20ETF」(1551)+「東証マザーズ ETN」(2042)といった組み合わせも可能になります。これまで新興市場を敬遠しがちだった投資家にも、マザーズ市場全体に1万円前後で投資ができることは魅力でしょう。なお、ETNは基本的な商品特性はETFと同じですが、以下の3つの点で相違があります。

1.現物資産の裏付けはない(特定の指数、資産価格との連動を約す債券の形態をとっています。したがってETN発行会社の信用リスクがあります)。

2.満期が存在する(今日ご紹介した3つのETNの満期は2033年です)。

3.分配金はありません。

本日ご紹介した3本のETNは「NEXT NOTES」のブランドで知られる野村グループのETNです。3本のETNとも信託委託者は野村證券、ETNの発行者はノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイで、ETNの保証者は野村ホールディングスとなっています。

(※)「東証マザーズETN」(2042)の詳細はこちら(東証HPに移動します)http://www.tse.or.jp/rules/etf/list-etn/

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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