第44回 ウィズダムツリーのETFから日本株を学ぶ 【ETF解体新書】

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第44回 ウィズダムツリーのETFから日本株を学ぶ 【ETF解体新書】


こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。筆者が定期的に訪れるETF情報サイトに「IndexUniverse」があります。当サイト10月24日の記事、『The 10 Most Popular ETFs So Far This Year』によりますと、年初から米国市場で資金流入が多かったETFが紹介されています。第1位は意外にも日本株のETFで、その名称は「ウィズダムツリー・日本・ヘッジド・エクイティ・ファンド」(DXJ)です。記事によりますと、当該ETFにはおよそ87億ドル(約8700億円)の資金流入があった模様です。
『The 10 Most Popular ETFs So Far This Year』(IndexUniverseのウェブサイトへリンクします)
http://www.indexuniverse.com/most-popular-etfs.html
2013年の日本株上昇に、外国人投資家が寄与していることは周知の事実ですが、その資金は日本の個別株のみに向かったわけではないのです。2013年の初頭、ヘッジファンド等の資金が短期的な利益を求めて日本市場に殺到しました。その後、ETF、ミューチュアル・ファンドを通じて長期的な資金も流入したのです。日本マーケットの活況の要因のひとつが、海外で設定されている日本株ETFというのは意外な事実かもしれません。さて、ウィズダムツリー・日本・ヘッジド・エクイティ・ファンドはその名の通り、為替ヘッジ付のETFであり、米国人にとってネガティブなドル高・円安の影響が除かれています。また、ウィズダムツリーは「指数」を組成する際に、時価総額ベースで株式の組み入れを決めるのではなく、企業の「配当金」「利益」などを元に銘柄をピックアップする、いわゆる「ファンダメンタル・インデックス」を実践する運用会社なのです。では、当該ETFはいったいどんな日本株を買っているのでしょうか。ウィズダムツリーのサイトに、当該ETFの上位組み入れ銘柄が掲載されています(組み入れ総数は312銘柄。12月20日現在)。1.三菱UFJフィナンシャル・グループ 2.トヨタ自動車 3.キャノン 4.本田技研工業 5.武田薬品工業 6.日本たばこ産業 7.三菱商事 8.日産自動車 9.三井物産 10.アステラス製薬となっています。輸出関連株、商社、製薬株などが見受けられますね。実はウィズダムツリー社は今年の6月に、同じようなコンセプトで日本の小型株を組み入れた「ウィズダムツリー・日本・ヘッジド・スモールキャップ・エクイティ・ファンド」(DXJS)の運用を始めています。当該ETFは518銘柄の組入れとなっています。こちらの上位組み入れ銘柄を見ますと、1.東海東京フィナンシャル・ホールディングス 2.電気化学工業 3.飯田グループホールディングス 4.宇部興産 5.コカ・コーラウエスト 6.アズビル 7.スクウェア・エニックス・ホールディングス 8.ミネベア 9.オートバックスセブン 10.ユニーグループ・ホールディングスとなっています(12月20日現在)。私たちは海外で設定されている日本株ETFを通じて、日本の個別株を学ぶこともできるのです。本日ご紹介した2つのETFはマネックス証券を通じて購入することが可能です(なお、マネックス証券では12月16日より、米国上場ETFが特定口座で取引可能となっています)。末筆となりますが、皆様どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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