第3回 移動平均線かい離率について3 【福永博之の今さら聞けないトレンド分析講座】

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第3回 移動平均線かい離率について3 【福永博之の今さら聞けないトレンド分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回は移動平均かい離線の注意点ついてお話します。

移動平均線かい離率を活用する時に注意しなければならないことは、移動平均線の変化より価格の変化の方が大きい場合に有効と言うことです。

たとえば、株価の一日の下落額が100円だった場合、株価はもちろん100円値下がりするわけですが、25日移動平均線の場合、25日で割って平均化されます。
したがって、移動平均線が下がる額は、100円÷25日=4円と言うことになります。一方で、緩やかに毎日少しずつ株価が値下がりする時はどうでしょう?

また、毎日25円ずつ下落するようなケースでは、当日の下落が25円、25移動平均線の下落が1円となって25円毎日株価が下落する中で移動平均線は1円ずつ値下がりすることになり、ほぼ並行して下落してくるようなパターンになります。それでは以下のチャートをご覧ください。


20140225_fukunaga_graph.jpg


これはスタートトゥデイのチャートですが、上下のチャートの赤い丸を付けたところをご覧ください。最初に急落したところで-13.5%のかい離率に広がったところからリバウンドして株価は一旦戻しましたが、そのあと緩やかに値下がりするなかでは、移動平均線もほぼ並行して下落しているため、移動平均線かい離は一定の水準(ここでは-3~5%)で推移し、反発の兆しを掴むことが難しく、そろそろ下げ止まりかなと思って買ったところが、さらに下落が続くといった状態になっていることが分かります。このように移動平均線かい離率は、緩やかに下落するところでは、かい離率が拡大しないため、有効に機能しないことが多いのです。

したがって、移動平均線かい離率で売買タイミングをはかろうとするときは、急落する時に使う方がタイミングをはかりやすく、緩やかな下落時には移動平均線かい離率が拡大しないため、タイミングが計り辛いということを覚えておきましょう。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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