マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。今から30年前、海外に投資を行う日本人は一握りの富裕層に限られていました。当時の世界経済は実質、10億人の先進国で成り立っており、市場経済の規模は今とは比較にならないほど小さなものでした。ベルリンの壁が崩壊する直前の1988年に、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社)が「MSCIエマージング・マーケット指数」の算出を始めています。このときから、発展途上国が市場経済に組み込まれ始めたのです。今日、グローバル経済が対象とするのは、文字通り世界の70億の人々であり、私たちはETFという道具を通じて、一ヶ国ごとの新興国株式に、低コストで効率的に投資を行うことが可能になっています。以下、主要な新興国国別株式ETFをご紹介します(中国、インドは除く。特に記述がない限り米国上場のETF)。
・東アジア
iシェアーズ MSCI 韓国・キャップト ETF(EWY)
iシェアーズ MSCI 台湾 ETF(EWT)
・東南アジア
iシェアーズ MSCI マレーシア ETF(EWM)
iシェアーズ MSCI タイ・キャップト ETF(THD)
iシェアーズ MSCI インドネシア ETF(EIDO)
iシェアーズ MSCI フィリピン ETF(EPHE)
db x トラッカーズ FTSEベトナムUCITS ETF(03087 香港市場上場)
・欧州とその周辺
iシェアーズ MSCI ポーランド・キャップト ETF(EPOL)
マーケットベクトル ロシアETF(RSX)
iシェアーズ MSCI トルコ ETF(TUR)
・その他
iシェアーズ MSCI メキシコ・キャップト ETF(EWW)
iシェアーズ MSCI ブラジル・キャップト ETF(EWZ)
iシェアーズ MSCI 南アフリカ ETF(EZA)
新興国の国別ETFにはいくつかの特徴があります。まず、総じて金融セクターの比率が高いです(ポーランド株式ETFでは5割超)。また、組み入れ銘柄が40~100程度のETFが多いです。価格変動リスクが大きいため、国別株式ETFはポートフォリオの独自性を出すための『隠し味』として利用するべきでしょう。具体的には、『日本株式+先進国株式+新興国株式』といった大枠に対する投資にプラスして、投資家の嗜好で国別株式ETFを加味するといったイメージです。ざっくりした資産割合ですが、円建てMMFで安全資産を20%、同じく債券ETFを20%、残りの60%を株式ETFに充て、そのうちの5~10%程度を国別株式ETFで構成するイメージです(新興国全体に投資を行う株式ETFの中に、組み入れを検討する国別株式が何%程度入っているかを事前にチェックしておきましょう)。また、特定の国別株式ETFに興味が湧けば、運用会社のサイト上で、個々の国別株式ETFが組み入れる企業群をチェックしてみるのもよいでしょう。一例ですが、「iシェアーズ MSCI フィリピン ETF」(EPHE)の組み入れ銘柄は以下のページで確認することが可能です。
http://jp.ishares.com/product_info/fund/holdings/NYSEARCA/EPHE.htm?periodCd=d
(iシェアーズのウェブサイトへ移動します)
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