マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。米国の株式情報サイトを見ると、ETFが個別株と同じように銘柄推奨されているのが分かります。ETFのチャートと共に、今後の価格の見通しについて論じられたりするのです。実はETFは、これまでアクセスが難しかったさまざまな投資対象をトレードする格好の道具となります。今日は「業種別株式」を取り上げましょう。2020年の東京五輪開催が決定したのは、日本時間の9月8日(日)早朝のことでした。翌9日(月)には業種別の「建設・資材ETF」(1619)、「不動産ETF」(1633)の取引が急増しました。これらは国内市場に上場する17種の業種別(セクター)ETFの一部です。セクターETFは各々の値動きが異なり、また相場の変動、マクロ環境の変化、国の政策発動などによってその価格が大きく変動します。つまり、個別株と同じように自身の相場観に基づいて、柔軟な売買を行うことが可能なのです。TOPIX-17シリーズと呼ばれる業種別指数に連動するETFは他に、「医薬品ETF」(1621)、「電機・精密ETF」(1625)、「電力・ガスETF」(1627)、「食品ETF」(1617)、「自動車・輸送機ETF」(1622)などがあります。たとえば「医薬品ETF」(1621)は2月28日現在、39の製薬系会社を組み入れており、その内訳は、武田薬品工業 23.6%、アステラス製薬 19.6%、大塚ホールディングス8.0%、第一三共 7.1%、エーザイ 6.3%、小野薬品工業 5.9%などとなっています。また、東京証券取引所のホームページには「業種別のPER・PBR」が記載されています(ただしこちらの情報は17種ではなく33業種の区分です)。
http://www.tse.or.jp/market/data/per-pbr/
上記を参照すれば、業種ごとのおおまかな割安度、割高度の目安がつくと思われます。
次に、海外ETFでは10種のグローバルセクターETFが注目されるでしょう。これらのETFは、世界の大企業1200社を内包するS&Pグローバル1200指数を原指数とし、同指数を10種のセクターに分けて組成したものです。グローバルセクターETFの具体例として「iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF」(IXC)、「iシェアーズ グローバル金融 ETF」(IXG)、「iシェアーズ グローバル・ヘルスケア ETF」(IXJ)、「iシェアーズ グローバル一般消費財 ETF」(RXI)、「iシェアーズ グローバル・テクノロジー ETF」(IXN)などが挙げられます。一例ですが、「iシェアーズ グローバル一般消費財 ETF」(RXI)は直近1年のリターンが+38.45%となっており、S&P500指数を上回る成績となっています。最後に、米国株式の代表的な業種別ETFである「SECTOR SPDR ETFs」をご紹介しましょう。この業種別シリーズはSSgA(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)が運用するもので、S&P500指数を9つのセクターに区分けして運用を行っています。実は、米国株式ETFの純資産残高のおよそ20%が業種別ETFとなっており、セクターETFは大きなマーケットを形成しているのです(SECTOR SPDR ETFsはまだ日本での取り扱いはありませんが、大きな需要があると思われます)。業種別ETFはトレードを行う投資家に相性がよい金融ツールといってよいでしょう。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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