マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。投資にも、情報の偏在というものがあります。日本に住んでいると、受け取る情報の多くはどうしても国内資産(日本株、日本債券、日本の不動産など)に関するものになります。「国際分散」と唱えてはみても、資産構成が自国の資産に偏ってしまう可能性があるのです。これは日本に限りません。たとえば、ドイツ人はドイツ国内の資産に偏り、アメリカ人はアメリカ国内の資産に偏る傾向があります(投資を行う際に、自国の資産に偏ってしまうことを『ホームバイアス現象』と呼びます)。実は海外ETFを用いると、この『ホームバイアス現象』に陥りにくくなるのです。私たちはポートフォリオを構築する際、無意識に「日本の資産」と「海外の資産」という区分けを行っています。しかし、米国上場ETFでは勝手が違ってきます。米国上場ETFはアメリカ人投資家を想定して商品が作られているため、国・地域の区分けが、「米国」「米国以外の先進国」「新興国」となるのが一般的です。ETFの具体例とともに見ていきましょう。
債券)
米国債券「バンガード 米国トータル債券市場ETF」(BND)
先進国債券(除く米国)「iシェアーズ 世界国債(除く米国)ETF」(IGOV)
新興国債券「マーケット・ベクトル 新興国債券(現地通貨建て)ETF(EMLC)
株式)
米国株式「スパイダー S&P500ETF」(SPY)
先進国株式(除く米国)「iシェアーズ MSCI EAFE ETF」 (EFA)
新興国株式「バンガード FTSE エマージングマーケッツETF」(VWO)
REIT)
米国REIT「スパイダー ダウ・ジョーンズ REIT ETF」(RWR)
先進国REIT(除く米国)「iシェアーズ 先進国(除く米国)REIT ETF」(IFGL)
上記の区分けでは、「先進国(除く米国)」の中に日本の資産が含まれます。たとえばIGOVの中には約20%「日本国債」が組み入れられ、EFAでは「日本株式」の組入れ割合が約21%となっています。ちなみにEFAは直近3ヶ月の1日あたりの売買高が19,655,900口と圧倒的な流動性を誇ります。純資産額はおよそ539億ドル(約5兆5000億円)で、米国上場ETFの中で2番目の大きさです(米国上場ETFの魅力は、この流動性の高さとマーケット規模の大きさにあるのです)。そして、IFGLの中に25%程度、日本のREIT、不動産会社が含まれます。そもそも「日本資産」というカテゴリーがないため、ポートフォリオを構築する際に国内資産に偏重することがありません。通常「海外投資」と云うと、国内資産に投資を行いつつ、海外の資産も組み入れるというニュアンスになりますが、「グローバル投資」では、無国籍人的な感覚で世界に資産を散らばらせるイメージとなります。米国上場ETFを用いれば、誰でもグローバル投資がしやすくなるのです。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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