第53回 ナスダック100ETFの合言葉はQQQ 【ETF解体新書】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第53回 ナスダック100ETFの合言葉はQQQ 【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。米国のナスダック市場は1971年、電子株式市場として設立されました。新興企業が上場するマーケットという印象が強いかもしれませんが、現在はハイテク関連を中心に巨大企業がひしめき合っています(3,000社以上の会社が上場しています)。このうち時価総額上位100社をピックアップして作られたのが「ナスダック100指数」です(1985年に算出を開始しました)。同指数は金融関連の会社が一切組み入れられていません。そして、同指数との連動を目指すETFが銘柄コードQQQで知られる、「パワーシェアーズQQQ」なのです。当該ETFは1999年にナスダック市場に上場し、現在米国で6番目に大きなETFとなっています。米国人投資家の間ではQubes(キューブス)という愛称で親しまれています。以下、QQQの上位組み入れ10社とその構成割合を見てみましょう(5月7日現在)。

1. アップル13.13%
2. マイクロソフト8.37%
3. グーグル(GOOGL)3.74%
4. グーグル(GOOG)3.68%
5. アマゾン3.49% 
6. クアルコム3.32%
7. インテル3.31%
8. ギリアド・サイエンシズ3.01%
9. シスコシステムズ2.97%
10. フェイスブック2.95% (※ グーグルは株式分割の影響で、議決権付のクラスA株と議決権のないC株に分かれています)。

QQQは上位組み入れ10社で、純資産額のおよそ48%を占めます。管理(運用)会社はインベスコ・パワーシェアーズで、受託銀行はバンク・オブ・ニューヨーク・メロンです。当該ETFはUIT(ユニット・インベストメント・トラスト)という形態を取っています。また、年間の経費率は0.2%で、分配金は四半期毎に出されます(5月7日現在の分配金利回りは0.95%)。

QQQはこの10数年で、次の3点において大きな変化を遂げました。
1.ハイテク比率の減少 2.PERの低下 3.有配当企業の増加

1999年当時、QQQのハイテク株比率はおよそ6割であり、PERも34倍程度ありました。それが2013年末現在、ハイテク比率は47%程度に減少し、PERも約20倍弱となっています。また、ヘルスケア関連の比率も99年の6%から13%に上昇しています(例:組入れ8位のギリアド・サイエンシズは、1987年に設立された研究開発志向のバイオファーマ企業です)。さらに、QQQの構成銘柄のうち配当金を出す企業も、2008年の33社から2013年末には50社に増加しています。直近10年間のナスダック100指数と、S&P500指数をパフォーマンスで比較すると、ナスダック100の年率リターンは10.42%、S&P500は7.42%となっており、ナスダック100指数が3%ほど上回っています。また、1999年当時、ニューヨーク証券取引所とナスダック市場の時価総額には5倍の開きがありましたが、現在は3倍程度の開きに縮まっています。私見ですが、産業構造の変化が今後も続いていけば、ナスダック市場が全米一のマーケットになる可能性もあると考えます。


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

マネックスからのご留意事項

「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧