マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。米国のナスダック市場は1971年、電子株式市場として設立されました。新興企業が上場するマーケットという印象が強いかもしれませんが、現在はハイテク関連を中心に巨大企業がひしめき合っています(3,000社以上の会社が上場しています)。このうち時価総額上位100社をピックアップして作られたのが「ナスダック100指数」です(1985年に算出を開始しました)。同指数は金融関連の会社が一切組み入れられていません。そして、同指数との連動を目指すETFが銘柄コードQQQで知られる、「パワーシェアーズQQQ」なのです。当該ETFは1999年にナスダック市場に上場し、現在米国で6番目に大きなETFとなっています。米国人投資家の間ではQubes(キューブス)という愛称で親しまれています。以下、QQQの上位組み入れ10社とその構成割合を見てみましょう(5月7日現在)。
1. アップル13.13%
2. マイクロソフト8.37%
3. グーグル(GOOGL)3.74%
4. グーグル(GOOG)3.68%
5. アマゾン3.49%
6. クアルコム3.32%
7. インテル3.31%
8. ギリアド・サイエンシズ3.01%
9. シスコシステムズ2.97%
10. フェイスブック2.95% (※ グーグルは株式分割の影響で、議決権付のクラスA株と議決権のないC株に分かれています)。
QQQは上位組み入れ10社で、純資産額のおよそ48%を占めます。管理(運用)会社はインベスコ・パワーシェアーズで、受託銀行はバンク・オブ・ニューヨーク・メロンです。当該ETFはUIT(ユニット・インベストメント・トラスト)という形態を取っています。また、年間の経費率は0.2%で、分配金は四半期毎に出されます(5月7日現在の分配金利回りは0.95%)。
QQQはこの10数年で、次の3点において大きな変化を遂げました。
1.ハイテク比率の減少 2.PERの低下 3.有配当企業の増加
1999年当時、QQQのハイテク株比率はおよそ6割であり、PERも34倍程度ありました。それが2013年末現在、ハイテク比率は47%程度に減少し、PERも約20倍弱となっています。また、ヘルスケア関連の比率も99年の6%から13%に上昇しています(例:組入れ8位のギリアド・サイエンシズは、1987年に設立された研究開発志向のバイオファーマ企業です)。さらに、QQQの構成銘柄のうち配当金を出す企業も、2008年の33社から2013年末には50社に増加しています。直近10年間のナスダック100指数と、S&P500指数をパフォーマンスで比較すると、ナスダック100の年率リターンは10.42%、S&P500は7.42%となっており、ナスダック100指数が3%ほど上回っています。また、1999年当時、ニューヨーク証券取引所とナスダック市場の時価総額には5倍の開きがありましたが、現在は3倍程度の開きに縮まっています。私見ですが、産業構造の変化が今後も続いていけば、ナスダック市場が全米一のマーケットになる可能性もあると考えます。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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