マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回は天井をつけるフォーメーションのV字トップについてお話ししましたが、今回はV字トップの逆のフォーメーションであるV字ボトムについてお話ししたいと思います。それではいつものように実際のチャートをご覧ください。
これは日本航空の日足チャートです。V字ボトムの特徴は、急落したあとに急反発するというもので、チャートの中央にあるように、まさにV字型で底打ちをして急回復しているフォーメーションになります。ちなみに海外ではスパイクボトムと言ったりします。
なぜこのような形ができるのかというと、悪材料がでて売られた場合や、市場全体が下落するなかでポジティブサプライズが発表されて急反発するケースなどがあげられます。
また、テクニカル的な特徴では、急落しても、25日や75日、200日など、中長期の移動平均線の方向に変化がない場合、反発し易いと考えられます。日本航空の場合では、25日や75日、200日と、それぞれの移動平均線は、株価が下落してもこれらの移動平均線の向きに大きな変化がなく、買い戻しなどが急激に進んだと考えられそうです。
さらに、V字型のボトムをつける際の特徴として、売買高の増加があげられます。チャートに示したように、売買高が下落する過程で徐々に増えているのが分かりますが、この売買高が増えるところで最も特徴的なのが、安値を付けるところで売買高が最も増加することです。
これは、投資家の売りがピークに達すると同時にその売り物を買っている人がいるわけです。そこで、売りがピークに達して出尽くしてしまうと、その後売り圧力が弱まり、少ない売買高でも株価が反発することになるのです。
日本航空の売買高を見ても、安値をつけたところで売買高が最も多く、そのあと徐々に減少しながらも株価は急反発しています。
さらに、信用取引を例にあげると、空売りをした人たちの買い戻しもV字ボトムをつけるときには多数入ってくると考えられるでしょう。
このようにV字ボトムは、売買高や移動平均線の向きなどを確認しつつ、反発時に買うことができれば、短期間で値幅が取れるフォーメーションと言うことができます。
ただ、株価水準や形だけで判断するのは禁物です。下落する過程で、反発を待たずに買う人がいるかもしれませんが、場合によってはさらに下落することも考えられますので、反発を確認してから買うようにしたいところです。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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