マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。
外国株式ETFの中には、いわゆる「アジア株式ETF」と呼ばれるものがいくつか存在します。しかし、アジア株式ETFの場合、国・地域の括りが『東アジア+東南アジア』となり、時価総額加重ベースによって指数が組成されるため、どうしても東南アジア株の割合が小さくなってしまいます。『東南アジア株式』にフォーカスしたETF・ETNという意味でいうと、今年の3月に国内市場に上場した『NEXT NOTES STOXXアセアン好配当50ETN』(2043)が挙げられるでしょう。当該ETNは「STOXX アセアン好配当50指数」との連動を目指します(STOXX社は「ユーロ STOXX 50指数」などで知られる、欧州系の指数提供会社です)。
「STOXX アセアン好配当50指数」のファクトシートはこちら(2014年1月末時点)。
http://www.stoxx.com/download/indices/factsheets/jp/sxae5dep_fs_jp.pdf
当該指数は、東南アジアの5か国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア)に上場する株式のうち、配当利回りが高い50社を構成銘柄としています。ファクトシートによると、指数の国別構成割合は、
1.シンガポール39.5%、2.マレーシア24.6%、3.タイ20.4%、4.インドネシア9.6%、5.フィリピン5.9%となっています。
また、業種(セクター)別の組入れ上位は、
1.銀行29.5%、2.石油・ガス21.8%、3.通信サービス20.7%、4.工業製品・サービス9.8%、5.旅行・レジャー4.0%となります(いずれも2014年1月末時点)。ただし、『アセアン好配当50ETN』は、上記国々の株式を実際に組み入れるわけではありません。
ETNとは、Exchange Traded Noteの略であり、Noteは『債券』を指します。つまり、ETNは特定の指数や資産価格との連動を約した「債券」なのです(ただし、上場指数連動証券という意味では、ETFとまったく同じ仕組みです)。したがって、ETNには発行体の信用リスクが存在します。当該ETNの発行体は「ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイ」ですが、発行会社の保証を野村ホールディングス株式会社が行っています。また、ETNは債券のため、あらかじめ満期が決まっています(当該ETNの満期は2034年2月6日)。
加えて『アセアン好配当50ETN』の特徴は、円建てベース、かつ配当込みの指数との連動を目指すことでしょう。通常のETFであれば、定期的に分配金が出され、その都度課税されてしまいます。しかしETNには、そもそも分配金がありません。また、配当込みの指数に連動することで、配当というインカムを取り込んだ「キャピタルゲイン」のみを目指すことになります。「STOXX アセアン好配当50指数(円ベース・配当込み)」の騰落率は、過去6ヶ月 -7.67%、過去1年+9.15%、過去3年+55.47%となっています。東南アジア株式に興味がある人にとっては明快な投資対象であると云えるでしょう。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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