第27回 窓について その3 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第27回 窓について その3 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回、窓には「買って良い窓」と「買ってはいけない窓」があるとお話ししましたが、今度は窓の数についてお話ししたいと思います。相場の格言には窓の数を目安に売買判断につなげようとしたものがあります。
たとえば、「三空売りむかえ」とか、「三空買いむかえ」などというものです。空(くう)とは、窓のことを指しますが、「上方向に3つ窓があいたら売り」、「下方向に3つ窓があいたら買い」ということを指しています。
ちなみに「三空売りむかえ」の意味ですが、3つ窓をあけるようなときは、強い値動きであるものの買いのエネルギーは続かないと考えられることから、買うのではなく売りなさいいといったことになるわけです。
実際にチャートを見てみましょう。



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これはマザーズ市場に上場している大泉製作所という会社の日足チャートです。このチャートを見ると、8月21日に大幅高したあと、翌営業日から連続して5営業日連続で窓をあけているのが分かります。
また、5営業日連続で窓をあけたあと一旦反落する場面がありましたが、そのあと大陽線をつけて再び上昇に転じ、高値を更新する結果となっています。
こうした銘柄は、前述の「三空売りむかえ」の言葉通り売ってしまうと、利益を逃すことになってしまいます。

では、なぜこのような上昇傾向が続くことになるのでしょうか。また「三空売りむかえ」といった格言は間違っているのでしょうか?
ここからは私の分析になりますが、窓をあけても上昇が続く理由に、需給が影響しているように思われます。

たとえば、大泉製作所は前述のようにマザーズ市場に上場していますが、発行済み株式数が少なく、出回っている株式数(浮動株比率ともいいます)が少ないために、まとまった買い物が入ると直ぐに売り物がなくなって、買い優勢の状態が続くのではないかと思われます。ちなみに、大泉製作所の浮動株比率は発行済み株式数の11.2%(2014年6月13日現在)しかありません。
したがって、新興市場銘柄のように発行済み株式数が少ない銘柄や、東証1部の大型株であっても浮動株比率の小さい銘柄で窓あけが続いたときは、直ぐに売ってしまうのではなく、上昇がどこで止まるのか確認する必要があるのではないかと思われます。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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