マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。国内上場ETFの魅力は、シンプルさを希求できることにあります。国内の取引所に上場するETFは円建てで市場価格が表示され、日中リアルタイムで売買が可能です(もちろん、分配金も円で払い出されます)。つまり、それだけ資産管理が容易になるということですね。8月31日現在、国内の証券取引所には158本のETFが上場していますが、「分配金利回り」という切り口で各銘柄を比較してみると興味深いものがあります。
実は「ETF株マップ.com」というサイトに、分配金利回りのランキングページがあります。
http://ETF.kabumap.com/servlets/ETF/Action?SRC=page/ranking&ranking_type=7
以下、国内上場ETFの分配金利回りランキングとなります(9月5日現在。カッコ内は銘柄コード)。
1.医薬品ETF(1621)6.98%
2.新興国債券ETF(1566)4.76%
3.食品ETF(1617)4.75%
4.銀行ETF(1631)3.83%
5.金融(除く銀行)ETF(1632)3.52%
6.トピックス・コア30ETF(1344)3.13%
7.素材・化学ETF(1620)3.06%
8.先進国債券ETF(1677)2.98%
9.豪州リートETF(1555)2.97%
10. マレーシア株式ETF(1560)2.96%
特徴的なのはトップ10のうち5銘柄(第1位、3位、4位、5位、7位)が「業種別ETF」であること。17種の業種別ETFは、TOPIX(東証株価指数)を17のセクターで区分けした「TOPIX-17シリーズ」との連動を目指します。また、債券ETFも2銘柄ランクインしています。9位の豪州リートETFは2011年の上場以来、安定的な利回りを維持しています。また、10位のマレーシア株式ETFはマレーシアの代表的な企業30社を内包し、銀行関連の組入れ比率が30%を超えているのが特徴です。
ところで、ETFの「分配金」は、投資信託における「分配金」とは意味合いが異なります。「収益分配」を狭義に定義すれば、ファンド(ETF含む)内で生じた配当、受取り利息などの収益から、ファンド費用を差し引いたものをファンド保有者に返す行為ということになります。現在、投資信託で認められている元本払戻金(旧称:「特別分配金」)は、運用元本の取り崩しであり、ETFにおいてはそもそも認められていません。つまり、投資信託の「分配」は、収益分配の範疇を超えてしまっているのです。したがって、投信の「分配金利回り」はETFのそれとは単純に比較することは出来ません。この点は注意が必要でしょう。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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