マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。米国では歴史的に株主還元が重視されています。そのため、米国企業は日本の会社に比べて配当性向が高く、かつ配当利回りも高い傾向にあります。また、低金利の常態化もあって、配当利回りに魅力を感じる投資家が増えています。いわゆる高配当株ETFは配当そのものが多い、また、配当利回りが高い企業を選んで組成されています(本日は米国高配当株ETFに絞ってお話を進めます)。まず、ご紹介するのは「iシェアーズ好配当株式ETF」(DVY)です。当該ETFは2003年に運用を開始しており、10年以上の実績(レコード)があります。年間経費率は0.39%、保有銘柄は102銘柄です。セクター別に見ると、公益事業の割合が約35%と圧倒的に高いのが特徴です。次いで一般消費財約14.8%、資本財約14.5%となっています。分配金利回りは3.13%(9月30日現在)です。また、S&P500指数に対するベータ値は1.01となっています。
続いて「スパイダーS&P米国高配当株式ETF」(SDY)です。当該ETFの年間経費率は0.35%。組み入れ銘柄は97社と少なめです。2005年に運用を開始しています。セクター別では金融が約22%ともっとも高くなっています。次いで、生活必需品約15.3%、資本財約14.5%となっています。分配金利回りは2.39%(10月16日現在)です。次に「バンガード米国高配当株式ETF」(VYM)を挙げましょう。当該ETFは2006年に上場しています。年間経費率は0.10%と圧倒的に低いのが特徴。組み入れ銘柄は392銘柄です。セクター間の偏りがなく、さまざまな業種にバランスよく投資されています。当該ETFの分配金利回りは2.98%(10月17日現在)です。また、S&P500指数に対するベータ値は0.85となっています。
最後に、「ウィズダムトゥリー・エクイティインカムETF」(DHS)です。当該ETFは2006年に上場。年間経費率は0.38%です。組み入れ企業は405社あり、銘柄分散が徹底しています。セクター別組入れでは金融が約18.6%、生活必需品約14.4%、ヘルスケア約13.6%となっています。当該ETFの特徴は自前のベンチマーク「ウィズダムトゥリー・エクイティインカム指数」を採用していることでしょう。分配金利回りは3.00%(10月17日現在)です。ご紹介した米国高配当株ETFを比較してみますと、2007年来の成績では、VYM、SDYが、DHS、DVYのリターンを上回っています。VYMとSDYの成績は拮抗していますが、2010、11年のベアマーケットでは、SDYの成績がVYMを上回る傾向にありました。逆に2012年以降のブルマーケットでは、VYMがSDYを上回る傾向にあります。読者の中には高配当の個別株を物色する方もいると思われます。しかし、一企業の配当利回りは業績によって変動するため、高配当株を順次選択し投資を行ってくれる高配当株ETFは、合理的なツールのひとつとなるはずです。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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