マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。世界の株式市場を概観しますと、エマージング市場(新興国市場)の次のマーケットとして、フロンティア市場という概念が存在します。フロンティア市場の代表的な指標が、2007年にMSCIが算出を開始した「MSCI フロンティアマーケッツ指数」です。当該指数の構成国は当初19ヵ国でしたが、2014年10月末現在、24ヶ国が組み入れられています。フロンティア市場に対する投資は端的に言って、お子さん、お孫さんのための投資と割り切るべきでしょう(つまり、次世代の実りに対する投資となるのです)。
このフロンティア市場の中から、代表的な100社をピックアップした指数が「MSCI フロンティアマーケッツ100指数」です。当該指数との連動を目指す「iシェアーズ MSCI フロンティア100 ETF」(FM)は、2012年9月に米国市場に上場しました。年間経費率は0.79%です。構成国は大きく中東・アフリカ・アジア・その他の地域に分かれます(それぞれの割合は概ね30%、25%、20%、25%程度となります)。まず、中東ですが、クウェート24.32%、オマーン6.11%などとなっています。次にアフリカでは、ナイジェリア 12.32%、ケニア 7%、モロッコ 5.43%、モーリシャス 1.19%と続きます。アジアは、パキスタン 9.01%、ベトナム 3.28%、バングラデシュ 3%、スリランカ 2.6%となります。その他地域では、アルゼンチン 10.79%、カザフスタン 4.26%、ルーマニア 2.94%などが挙げられます(数字はいずれも組み入れ比率。11月15日現在)。
なお、「iシェアーズ MSCI フロンティア100 ETF」(FM)はJDR形式で国内市場にも上場しており、名称は「iシェアーズ フロンティア株ETF」(1583)となります(FMは米ドル建て、1583は円建てでの取引となります)。
次に、フロンティア市場の中でもアフリカに特化したETF「アフリカ株式ETF」(AFK)をご紹介しましょう。当該ETFは2008年7月に米国市場に上場しました。当ETFは「マーケットベクターズ・GDPアフリカ指数」との連動を目指します。実はこの指数は、当ETFの運用会社であるヴァン・エック・グローバルが自ら組成しています。当該指数はアフリカ各国のGDP比率により組入れ国とその比率を決定しています。また、売上高の50%以上をアフリカから得ているアフリカ以外の企業も組み入れ対象としています。
「アフリカ株式ETF」の構成国は南アフリカ、エジプト、ナイジェリア、モロッコ、ケニア、タンザニア、ザンビア、シエラレオネなどとなっています(南アフリカ、エジプト、ナイジェリアの3ヵ国で組入れのおよそ6割を占めます)。また、アフリカ以外の国では、イギリス、フランス、オランダなどが挙げられます(※ 南アフリカ、エジプトはMSCIの区分では新興国の範疇となります・・)。
フロンティア市場は経済発展の初期の段階にあり、先進国や新興国よりも高い成長が期待できます。また、先進国株式との低い連動性も特徴であり、分散投資の効果が期待できます。ただし、2013年末現在、世界全体の株式時価総額に占めるフロンティア市場の割合は0.3%に過ぎません。法体系、企業ガバナンスなども発展途上にあり、政治体制に対するリスクも存在します。マーケット環境が激変する可能性もあるため、ETFというツールで「広く・浅く」投資を行うのが賢明と云えるでしょう。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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