マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回は窓の応用編とも言うべき見方をお話ししましたが、今回もその続きです。
その前に前回例に取り上げたアサカ理研のその後の株価動向を確認してみましょう。結果は、残念ながら指摘したようにストップ安して、5日移動平均線を割り込んだ日に売ってしまわないとその後も下落が続き、保有したままだと損失が拡大する結果になっています。
ただ、投資家であれば誰しもストップ安した当日ではなく、その前に売りたいと考えるところです。
そうしたなかで、窓開けと一緒に活用したいのが、過熱感を活用した売り時の判断です。また過熱感と言った時によく使われるのが、サイコロジカルラインや移動平均線かい離率です。ただ、今回例に取り上げた新興市場銘柄の場合、上昇が長く続くとサイコロジカルラインが100%に張り付いてしまうことがあるため、利用し辛いといったことが考えられる反面、移動平均線かい離率は、個別銘柄ごとの過去のかい離率を参考にしたりすることができるため、比較的判断し易い面があります。
前置きが長くなってしまいましたが、実際のチャートをご覧いただきましょう。
このチャートは、上段が株価と単純移動平均線が表示されたものになります。移動平均線は5日、25日、200日となっていますが、ここで注目するのは、200日移動平均線とのかい離率です。日経平均株価やTOPIXと言った指数に加え、トヨタや新日鉄住金など大型株の場合、10%前後かい離率が拡大すると、買われ過ぎや売られ過ぎと判断されることが多いのですが、新興市場に上場している小型株の場合、もっと行き過ぎることがあるので、こうした目安はあまり役に立ちません。
そこで200日移動平均線とのかい離率から買われ過ぎを判断するのです。どのように判断するのかというと、下段のチャートを見るとよくわかりますが、かい離率の水準から買われ過ぎを判断します。上記の例では、ストップ安する前日の最大値が1048%となっていますが、倍数でいうと、ちょうど10.48倍と言うことになりますね。
実はストップ安を付けた当日、窓をあけて上昇して始まったところは、もっとかい離率が拡大しており、実際に計算してみたところ、200日移動平均線の値678円64銭に対して、窓をあけて寄り付いたときの価格8,830円のかい離率が13.01倍となっており、13倍までかい離率が拡大していたのです。
こうしたことから新興市場の個別株の場合、窓をあけて上昇が続くようなケースでは、10倍超は買われ過ぎと判断し、一旦利益を確保することができるのではないかと思われます。
10倍株にはめったに遭遇することはありませんが、こうした目安を覚えておくと大幅高した銘柄の売りそびれがなくなると同時に高値掴みも減らすことができ、投資パフォーマンスの向上につながると思われます。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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