マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回は窓の比較についてお話します。
どのように比較するのかと言うと、同業種の銘柄で、同じ材料で同じように買い気配で始まって窓をあけたにもかかわらず、株価が大きく上昇したケースと、伸びきれずに結局高値掴みになってしまったケースの比較と見極め方についてです。
どの業種から銘柄を選ぶのかと言いますと...、自動車からです。自動車セクターは大型株が多く流動性が高いため、窓のいろいろなパターンが表れやすいからです。
ではいつものようにチャートをご覧いただきましょう。
上記チャートはトヨタ自動車(7203)の日足チャートです。また赤い丸で囲まれ窓をあけて上昇している日は、みなさんよくご存じの追加緩和発表(2013年10月31日)の翌営業日ですが、ここで注目してほしいのは窓が発生している時点の株価位置です。
その位置を確認するために、窓が発生する前の高値に点線を引いてみました。トヨタ自動車の場合、追加緩和で直近の高値に一気に接近したあと、翌営業日に上回って始まっているのが分かります。
また一旦高値を上回ると、株価は前の高値まで戻ることなく上昇が続いていますが、これは過去にお話ししたブレイクアウェイギャップと考えられます。
続いては本田技研(7267)の日足チャートです。
上記のチャートを見ると、ホンダも追加緩和が発表された翌営業日に大きな窓をあけていますが、窓をあけた位置を見ると、トヨタ自動車と同様に窓が発生する直前の高値に引いた点線に届いておらず、コモンギャップだったことが分かります。
このように比較してみると、同業種で、且つ同じ材料で窓をあけたものの、トヨタはその後上昇が続きましたが、ホンダは結局高値掴みになってしまっているのです。
こうなりますと、どちらの株を買った方がよいかはもうお分かりですね。みなさんは二つの銘柄でどちらを買うか迷ったとき、直前の高値を超えていないので安く買えると言って、ホンダを買ってはいけないのです。
ホンダはコモンギャップであることから、直ぐに売り圧力に押し返されてしまったことになり、買ってはいけないパターンと言うことがお分かりいただけたのではないかと思います。
このように窓が発生する前の高値に線を引いておくと、上昇しそうな窓かどうかの判断がしやすいと思われますので、実戦でも活用してみてください。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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