マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。投資の教科書には「値動きが異なる資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクが軽減される」と説明がされています。しかし、経済のグローバル化が進む中、たとえば、日本株と先進国株、あるいは先進国株と新興国株の相関関係は、10年前に比べると随分高くなっているのが現状です。分散効果を高めるために、株式を「規模」と「スタイル」で細分化することを考慮しましょう。一例ですが、株式の地域別区分けを「米国株」「先進国株(除く北米)」「新興国株」とします。大型株に加え、小型株ETFも併せて保有するのです(以下、すべて米国上場ETFとなります)。まず米国ですが、「スパイダー S&P 500 ETF」(SPY)に加え、「iシェアーズ コア S&P 小型株 ETF」(IJR)を保有します。大型株をさらにスタイルで分類し、「バンガード・S&P500バリューETF」(VOOV)を保有する手もあります。あるいは小型株では、「バンガード・S&Pスモールキャップ600グロースETF」(VIOG)のようなスタイル選別も可能です。
続いて先進国(除く北米)では、「バンガードFTSE 先進国市場(除く北米)ETF」(VEA)と「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF」(VSS)を組み合わせます。そして新興国は、「iシェアーズ コア MSCI エマージングマーケッツETF」(IEMG)と、「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット小型株 ETF」(EEMS)を併せて保有します。新興国については、アジア地域に投資対象を絞った「iシェアーズ MSCI エマージング・アジア・インデックス ETF」(2802)も候補に上るでしょう(当該ETFのみ香港上場)。一方、債券についてはシンプルに「米国債券」「先進国債券(除く米国)」「新興国債券」に地域分散を行います。それぞれの具体例として、「バンガード米国トータル債券市場ETF」(BND)、「iシェアーズ 世界国債(除く米国)ETF」(IGOV)、「マーケット・ベクトル新興国債券(現地通貨建て)ETF」(EMLC)を挙げます。続いてREITですが、こちらは「米国」「先進国(除く米国)」で分散を行いましょう。具体的には「スパイダー ダウ ジョーンズREIT ETF」(RWR)、「iシェアーズ 先進国(除く米国) REIT ETF」(IFGL)が挙げられます。近年、REITは株式との相関が高くなっているため、新興国REIT ETFの登場が待たれるところです。最後に金(ゴールド)ですが、金は株式、債券、REITとも相関が低いという特徴があります。ETFとしては「スパイダー ゴールド・シェア」(GLD)が挙げられます。
ポートフォリオの大枠部分に帰りますと、安全資産(MRF・円建てMMFなど)とリスク資産の基本比率を4:6とします。リスク資産は「中リスク」(外国債券)と「大リスク」(株式・REITなど)に分け2:4の配分とします。株式、債券における「米国」「先進国」「新興国」の割合は3:4:3としましょう。REITについては「米国」「先進国(除く米国)」を5:5とします(金を保有する場合、REITへの配分の枠内で案分しましょう)。資産間の連動性が高まる中、投資家には「細分化」したアセットアロケーションが求められています。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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