マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。読者の皆さんは『ファンド・オブ・ファンズ』という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。ファンド・オブ・ファンズとは、さまざまな投資信託を組み合わせて、ひとつの投資信託にまとめたものです。実は米国では、複数のETFを組み合わせて、ひとつのETFにまとめたファンド・オブ・ファンズ形式のETFが存在します。2008年11月に、i シェアーズが計14本のファンド・オブ・ファンズ型のETFを設定しました。そのうちの1本をご紹介しましょう。「i シェアーズ コア コンサーバティブ・アロケーション ETF」(AOK)です。このETFの内訳は、米国債券68.49%、米国株式15.68%、外国株式12.49%、エマージング株式3.24%、短期金融資産0.09%となっており、計9つのETFを組み合わせています(4月16日現在)。
そのうち、株式には6つのETFが充てられています。まず、米国株式は「i シェアーズ コアS&P 500 ETF」(IVV)、「i シェアーズ コア S&P MID-CAP ETF」(IJH)、そして「i シェアーズ コア S&P SMALL-CAP ETF」(IJR)の組み合わせです。大型株、中型株、小型株のイメージですね。また、外国株式には「i シェアーズ コア MSCI ヨーロッパ ETF」(IEUR)と「i シェアーズ コア MSCI パシフィックETF」(IPAC)が充てられています。さらに、エマージング株式は「i シェアーズ コア MSCIエマージングマーケッツETF」(IEMG)を組み入れています。
次に、さまざまなETFを組み合わせる際、各ETFの割合を固定させるのではなく、マーケットの変化に応じて、ETFの組み入れ割合を機動的に変えていくスタイルも見受けられます。即ち、TAA(タクティカル・アセット・アロケーション)を標榜するファンド・オブ・ファンズ形式のETFです。ステート・ストリートが運用を行う、「スパイダー SSgA グローバル・アロケーションETF」(GAL)、「スパイダーSSgAマルチ・アセット・リアル・リターンETF」(RLY)、そして「スパイダー SSgAインカム・アロケーションETF」(INKM)が挙げられます。
まず、GALですが、資産の内訳は債券29.96%、米国株式21.13%、外国株式21.13%、米国 REIT 6.94%、外国REIT 2%となっており、計17のETFが組み込まれています。機動的な配分変更のため、現金を10.76%保有しているのが特徴です(いずれも4月16日現在)。 続いて、RLYは「インフレヘッジを意識した商品」と云えます。資産の内訳は、資源関連株式37.70%、インフレ連動債19.74%、不動産19.56%、コモディティ17.32%、 現金5.68%となっています(4月16日現在)。資源関連株式として「スパイダー S&P グローバル天然資源ETF」(GNR)を約28%組み入れているのが特徴でしょう。
そして、「インカム」を重視する投資家向けの商品がINKMとなります。資産の内訳は、株式32.29%、投資適格債30.43%、ハイ・イールド債13.54%、グローバル不動産10.77%、ハイブリッド型(債券/株式)10.03%、現金2.94%となっています(4月16日現在)。気になる年間経費率ですが、AOKは0.39%、GALは0.35%、RLYとINKMは0.70%となっており、既存の投資信託のファンド・オブ・ファンズより低廉です。なお、マネックス証券ではGAL、RLY、INKMの取引が可能です。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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