第72回 窓について その49 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第72回 窓について その49 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についてお話しますが、前回の続きです。
今の時期は決算発表など株価を動かす材料が多いため、窓をあけて動くことが多くなっていますが、下方向に窓をあけた場合、コモンギャップであっても近いところに下げ止まりの目処となる節(フシ)が無かったり、節との価格差が広がっている場合、思わぬ値下がり幅になることがあるため、注意が必要だとしました。
そこで、前回取り上げた銘柄は、あのあとどうなったのか確認してみたいと思います。

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上記は先週の続きとなる週足チャートですが、前回注意するようにお話しした下落が継続するかたちにはなっておらず、下げ止まっているのが分かります。
週足の終値で確認しますと、263円となっており、今週に入ってからも終値では263円を維持しているようです。
一方、これまでの事例からしますと、前回指摘したコモンギャップが発生したあと、下方向にもっと下落してもおかしくないわけですが、下落が止まっていますね。
もちろん、このまま下落が止まるかどうかは分かりませんが、なぜ、窓をあけて下方向に放れたにも関わらず、この価格で下げ止まっているのでしょうか。
これまでの事例は単なる偶然だったのでしょうか...。
実は、今回下げ止まっている価格である263円に意味があるのです。どういう意味かというと...。
株価の下げ止まりの目処を探すときに、フィボナッチ数列というものを使う場合があるのですが、このフィボナッチ数列を使って導き出された価格と今回の下げ止まっている価格がほぼ同じ値になっているのです。(フィボナッチ数列の詳しい話しはまたにして...)
たとえば、フィボナッチ数列から導き出された比率をテクニカル分析で株価の上昇や下落時の目処として使用する場合、高値と安値を決め、その値幅のなかでこの比率を使って目処となる株価を導き出します。
フィボナッチ数列は一つではなく、いくつもあるわけですが、その中で、良く使われているものに、38.2%や61.8%、23.6%や76.4%などがあり、今回の下げ止まっている水準である263円は、なんと、高値364円と安値231円の76.4%水準である262.4円とほぼ同じ水準になっているのです。
このように、コモンギャップが発生したあと下げ止まっている価格は、過去に下げ止まった価格である節以外に、こうした高値と安値の間の水準から導き出した水準もありますので、覚えておくとよいと思います。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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