第85回「米国セクター株ETFをおさらいする」 ETF解体新書

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第85回「米国セクター株ETFをおさらいする」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。セクター(業種)への投資は「個別株以上、市場全体未満」と言われます。ひとつの銘柄への投資に比べて、リスク軽減が可能になると同時に、セクターに絞って投資を行うため、それなりに高いリターンが期待できるためです。米国を代表するセクターETFは、ステートストリートが運用する『Select Sector SPDR ETFs』です。当ETFシリーズは1998年に運用を開始し、米国を代表する業種別ETFに成長しています(S&P500に組み入れられる企業を「9つの業種」に分類しています)。


○ 一般消費財セレクト・セクター SPDR ファンド(XLY)

○ 生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド(XLP)

○ エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLE)

○ 金融セレクト・セクター SPDR ファンド(XLF)

○ ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLV)

○ 資本財セレクト・セクター SPDR ファンド(XLI)

○ 素材セレクト・セクター SPDR ファンド(XLB)

○ テクノロジー・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLK)

○ 公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド(XLU)

(年間経費率はいずれも0.16%)。

たとえば2014年は「公益事業」、「ヘルスケア」などがS&P500の年間上昇率を上回る成績を残しました(ちなみに「公益事業」は+26.4%のリターンでした)。逆に、S&P500の上昇率を下回ったのが、「エネルギー」、「素材」などです(「素材」のリターンは+5.8%にとどまりました)。9つの銘柄(セクター)から成るのがS&P500とすると、9つそれぞれの値動きが違ってくるのは自然な姿です。
マーケットの動向を睨んで、今後動きが活発になるであろうセクターを買っていく投資手法があってもよいでしょう。また、値動きが異なるセクター同士の組み合わせも有効です。たとえば、「公益事業」と「金融」、「一般消費財」と「公益事業」、「テクノロジー」と「金融」などは相関が低い傾向にあります。

また、マネックス証券では、バンガードの以下のセクターETFも購入可能です(これらのセクターETFは2004年に運用を開始しています)。


○ バンガード 米国素材セクターETF(VAW)

○ バンガード 米国一般消費財・サービス・セクターETF(VCR)

○ バンガード 米国生活必需品セクターETF(VDC)

○ バンガード 米国エネルギー・セクターETF(VDE)

○ バンガード 米国金融セクターETF(VFH)

○ バンガード 米国情報技術セクターETF(VGT)

○ バンガード 米国ヘルスケア・セクターETF(VHT)

○ バンガード 米国資本財・サービス・セクターETF(VIS)

○ バンガード 米国電気通信サービス・セクターETF(VOX)

○ バンガード 米国公益事業セクターETF(VPU)

(年間経費率はいずれも0.12%)。

「SPDR ETF」は米国の大型株のみが組み入れ対象ですが、バンガードのセクターETFは、大型株、中型株、小型株を網羅します(正確には、セクターごとのMSCI USインベスタブル・マーケット25/50指数との連動を目指します)。
また、「SPDR ETF」ではテクノロジーに区分されるセクターが、バンガードでは「情報技術」と「電気通信サービス」に分かれます。年間経費率はバンガードのセクターETFのほうが若干低くなっています。


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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