マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。個別株好きの人にETFを紹介する際、ETFの特徴を端的に3つ挙げてお話しします。
1.ETFとは大きめの個別銘柄。
2.心理的に遠い資産にリーチしやすい。
3.リスクコントロールが容易。
たとえば大型株に投資を行う投資家が、新興市場の株を物色しているとしましょう。どうしても「ひとつの会社」のみを見るとボラティリティの高さが気になってしまいます。たとえばマザーズ市場に上場する代表的な15社を大きめの「一銘柄」として捉えれば、「マザーズ・コア上場投信」(1563)というETFが選択可能です。それと同様に、「JASDAQ-TOP20上場投信」(1551)というETFも挙げられます(こちらはJASDAQの代表的な企業20社をひとつの銘柄として内包するイメージです)。別に一企業に投資を絞り込む必要はないわけです。
あるいは「大きめの個別銘柄」という概念は、17種ある「業種別ETF」にも当てはまるでしょう。たとえば情報通信関連の株を保有する人が、異なる業種の株を探しているとします。ここでもひとつの会社に固執することなく、「NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信)」(1617)や「NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信」(1621)のように、一業種を大きめの銘柄と捉え、個別株と組み合わせる方法があります(ちなみに「NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信」(1621) は2015年11月末現在、39の製薬関連の銘柄を組み入れています)。その他、「NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信」(1622)や「NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信」(1619)、「NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信」(1630)なども選択可能です。
続いて「心理的に遠い資産にリーチしやすい」という点では、金のETF、フロンティア株ETF、原油ETF、新興国債券のETF、あるいはオーストラリアREITのETFなどが当てはまるでしょう。たとえば、「新興国債券はまだ発展途上」というイメージを抱くと、個別の債券に投資するのは躊躇してしまいます。しかし、もっとも遠い資産だからこそ、複数の国、複数の通貨建てのあまたの新興国債券を束ねたETFを利用すればよいのです(リスク分散をしながら、比較的高い利回りの資産に広くアプローチできます)。
心理的に遠いといえば、国別株式もそうでしょう。行ったことがない国、情報が乏しい国でもETFなら手軽にアクセス可能です。たとえばインド株ETFは「インド株式会社」という大きな一銘柄を買うイメージを持てばよいのです。選択肢としては「上場インデックスファンドCNX Nifty先物(インド株式)」(1549)などが挙げられます。
最後に、リスクコントロールが容易とは、個別企業の潜在リスクを薄めることができるという意味です。株式ETFは「複数の会社の集合体」ともいえます(それをひとつの銘柄として売買します)。個別株では財務内容を精査したり、売上や利益の予想を行うことで、企業の素性をおおよそ知ることができます。しかし、その会社固有のリスクをすべて見通すのは困難です。たとえば東芝の不正会計問題や、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題、旭化成建材(親会社は旭化成)による杭打ちデータの偽装発覚などは突発的リスクであり、一個人に予測し切れるものではありません。ETFを活用すれば、個別企業の潜在リスクを軽減させることが可能になります。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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