マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。ポテンシャル(潜在可能性)に対して資金を投じるのが投資の王道だとすると、新興国投資では大きな節目を迎えているようです。インドの経済成長率が中国のそれを逆転するようなのです。先般発表された2015年の中国のGDP成長率は+6.9%でした。一方、世界銀行は昨年10月「南アジア経済見通し」の中で、インドのGDP成長率を15年は+7.5%、16年は+7.8%と予想しています。
インドの強みはまず人口の多さです。国連が公表する「世界人口予測」によると、インドの人口は2022年までに中国を抜き世界最大となる見通しです。ただ人口が多いだけではありません。インドでは25歳以下の人口がおよそ半数を占めています。今後これら若年層が仕事を持ち、結婚し、家庭を築くことで膨大な消費需要が生まれます。また人的資本でいえば、インド人は英語能力に長け数字にも強いです。
日本人にインド株式投資の風穴を開けたのは、「iシェアーズ S&P BSE SENSEX インディア・インデックスETF」(02836)でしょう。当該ETFは2006年に香港市場に上場。S&P BSE SENSEX指数との連動を目指します。同指数はインドのムンバイ証券取引所に上場する代表的企業30社で構成されています。上位組み入れ5社を見てみましょう。「インフォシス」、「HDFC銀行」、「HDFC」、「ITC」、「リライアンス・インダストリーズ」となっています(16年1月22日現在)。
インフォシスはバンガロールに本社を置く世界有数のIT企業です。HDFCは住宅ローン会社であり、HDFC銀行はその関連会社です。また、ITCはImperial Tobacco Companyの略であり、もともとはたばこ製造会社でした。そこから日用消費財、ホテル経営、梱包材・紙製品製造など、経営の多角化を進めています。また、リライアンス・インダストリーズは石油化学を中心としたコングロマリットです。
同じく香港上場のETFに「db x-トラッカーズ-S&P CNX ニフティETF」(03015)があります。当該ETFが連動を目指すCNX Nifty指数は、ナショナル証券取引所(NSE)で取引される代表的企業50社で構成されます。続いて、米国上場の「マーケットベクトル・インド小型株ETF」(SCIF)を挙げましょう。当該ETFは、マーケットベクトルインド小型株指数との連動を目指します。同指数はインドの内需を取り込むべく、143の小型株式を組み入れています(16年1月22日現在)。
最後に「ウィズダムツリー・インディア・アーニングス・ファンド」(EPI)です。当該ETFはウィズダムツリー・インディア・アーニングス指数との連動を目指します。同指数は外国人に売買可能な、収益力の高い企業をピックアップして構成されます。組み入れ銘柄は299社に及びます(指数ベース)。いずれのETFも業種別では金融、情報通信の比率が高いのが特徴です。裏を返せばインド経済の課題は製造業の育成にあるといえるでしょう。現在モディ政権は「Make in India」を合言葉に、製造業の誘致に積極的に取り組んでいます。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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