第93回 窓について(下落パターン) その70 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第93回 窓について(下落パターン) その70 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週は、先週例にあげた新生銀行の下落パターンの窓についての続きです。
それでは、週足チャートを見ながら、確認をしてみたいと思います。

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前回のおさらいをすると・・・。まず、コモンギャップか、レンジを下放れたとするブレイクアウエイギャップか、どちらの窓かというのが問題でした。
そこで、実際のチャートを見ると、窓をあけて始まったあと、先週からちょうど一週間が経過したところでは、下に放れて、陰線が長くなっているのが分かります。そのため、今回の窓は、コモンギャップというよりは、どちらかというとレンジを下方向に放れたブレイクアウエイギャップと見た方がよいのではないかと思われます。
ただ、結果を見てから判断するのでは、実際の売買行動が遅れてしまうため、損益状況の悪化が懸念されるところとなります。
では、どういったところで、コモンギャップか、ブレイクアウエイギャップかを判断すればよいのでしょうか。
そこで私の場合は、レンジなら、レンジを形成している期間がどのくらいかによって判断するようにしています。
たとえば、今回の例では、レンジの下限の株価をつけたのが、2014年3月24日の週ですから、窓をあけて下落した2016年2月1日の週までの期間、およそ1年11ヵ月続いたレンジを下抜けたことになるわけですが、私の経験則としては、1年以上のもみ合いが続いたあと、上下どちらかに放れた場合、過去の値幅の範囲内にあっても、ブレイクアウエイギャップのように、株価の上昇や下落が加速すると判断するようにしています。
そのため、今回のようなケースでは、窓をあけて下放れて始まった時点で、売り注文を出してロスカットを行うというのが、セオリーになるのではないかと思われます。
では下放れたあと下落が加速する理由についてですが、それはレンジ内で値動きしている期間が長くなればなるほど、累積した売買高が増えると同時に、株価がそのレンジを上下どちらかに放れた場合、発生したトレンドと逆のポジションを持っている投資家が、損失確定の売りを出すためだと考えています。
また、下落して戻らないと判断されると、保有者からの売りが膨らんだり、リバウンドを狙って買った投資家からのロスカットの売りが出たりすることが考えられるからです。
そのため、下落が加速して、長い陰線が形成されるケースが目立つのではないかと思われます。
たまたま新生銀行は、長いレンジ内での値動きが続いたなかで、マイナス金利の導入といった売り材料が出たために株価の下落が加速する形になりましたが、みなさんもこうした値動きには注意し、売りそびれや、リバウンド狙いの買いで損失を発生させないよう注意してください。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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