マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。アメリカでREIT(不動産投資信託)の仕組みが作られたのは1960年のことです。その後米国REITは1990年代に急速に発展を遂げます。S&P グローバルREIT指数によると、世界のREIT市場に占める米国REITの割合(時価総額ベース)は約64%となっており、圧倒的な存在感があります。ちなみに第2位は日本で約7.9%、第3位はオーストラリアで約7.2%となっています(いずれも2016年1月末時点)。
http://us.spindices.com/indices/equity/sp-global-reit-us-dollar
150銘柄を超える上場米国REITの種類は実に多彩です。もっとも割合が高いのは商業施設ですが、他にもレジデンシャル(住居用)、オフィス、ヘルスケア関連、物流・産業施設、ホテル&リゾート型など多種多様です。ひとつのREITを自身の相場観で選ぶ投資家もいれば、さまざまなREITをひとつのパッケージで保有したいという投資家も存在します。後者のニーズに応えるETFのひとつが、「iシェアーズU.S.不動産 ETF」(IYR)でしょう。当該ETFは2000年に米国市場に上場しました。2月5日現在の純資産額は約38億8,000万ドル。直近3ヶ月の1日あたり売買高は約1,000万口となっています。当ETFが組み込むREITは計121銘柄ですが、組み入れ上位5銘柄は以下のようになっています。
1位「サイモンプロパティグループ」7.17%、2位「アメリカンタワーリート」4.77 %、3位「パブリックストレージリート」4.48%、4位「クラウンキャッスルインターナショナルリート」3.55%、5位「エクイティレジデンシャルリート」3.43%(いずれも2月4日時点。%はETFの純資産額に占める比率です)。
https://www.ishares.com/us/products/239520/ishares-us-real-estate-etf
サイモンプロパティグループはインディアナポリスに本社を置き、北米とアジア に300を超えるショッピングモール、オフィスビル等を展開しています。同REITはS&P100指数にも採用されています。御殿場、りんくうタウンなど国内9カ所に「プレミアム・アウトレット」がありますが、この運営会社は「三菱地所・サイモン」です(サイモンプロパティグル―プが40%出資しています)。次にアメリカンタワーは、携帯電話の基地局を所有するREITです(その数は全米で40,000ヵ所以上、世界で59,000ヵ所以上となっています)。分配アンテナシステム(DAS)や、バックアップパワーシステムも提供しています(第4位のクラウンキャッスルインターナショナルも同業のREITです)。
第3位のパブリックストレージですが、こちらはアメリカ、ヨーロッパの2,200カ所でトランクルームを保有するREITです。5位のエクイティレジデンシャルは、シカゴを本拠とする居住用REITです。全米11の州で350を超えるアパートメントコミュニティを運営しています(同社のルーツは1960年代初頭に、ふたりの大学生が学生寮を管理し始めたことに遡ります)。最後に、当該ETFはJDR形式で「iシェアーズ米国リート・不動産株ETF」(1590)として国内市場にも上場しています。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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