第92回「ニッチなETFから世相を知る」 ETF解体新書

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第92回「ニッチなETFから世相を知る」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。ETFの醍醐味のひとつは、意外とニッチな投資対象が存在することだと思います。ETFの運用会社はこれまで、「こんなETFがあればいいのになあ」という投資家の願望をかなえてきました。また、ニッチなETFそのものが、ときに世の中の先行指標であったりします。本日ご紹介するETFは、「サイバー・セキュリティ」「レストラン」「ジェネリック薬品」です(すべて米国市場に上場)。
まず「ピュアファンズ・ISE・サイバー・セキュリティー・ETF」(HACK)ですが、こちらはサイバー・セキュリティに関連する銘柄に投資を行うETFです。IT技術の進展とともに、社会の主軸がリアル空間からサイバー空間に移行し、多種多様な犯罪もサイバー空間で起こるようになっています。その結果、サイバーテロやサイバー攻撃を防ぐ技術の開発に取り組む企業も増えているのです。当該ETFは「ISEサイバー・セキュリティ指数」との連動を目指します。直近3ヶ月の1日あたりの売買高は約44万口あり、出来高も豊富です。以下、マネックス証券の紹介ページです。
https://www.monex.co.jp/Etc/topbn/guest/G800/new2016/news1602_11.htm
次にご紹介するのは「レストランETF」(BITE)です。アメリカ農務省の調べによると、米国の可処分所得に占める「家食」の比率は一貫して低下しており、一方、「外食」の比率は上昇を続けています。当該ETFは米国の代表的な外食産業に投資を行います。組入れ企業は2月19日現在41社あり、基本的に均等加重で投資を行っています。
http://www.biteetf.com/

当該ETFはレストランの形態を4つに分けています。「クイックサービス」(スターバックスなど)、「ファーストカジュアル」(メキシコ料理のチポトレなど)、「カジュアルダイニング」(バッファロー・ワイルド・ウィングスなど)、「ファインダイニング」(ステーキハウスのルースクリスなど)です。当該ETFの上場は昨年の10月ですので、今後の動向が注目されます。

最後は「マーケットベクトル・ジェネリック薬品株ETF」(GNRX)です。高齢化が世界的に進む中、安価な薬の確保が社会的な関心事となっています。当該ETFは「Indxx Global Generics & New Pharma 指数」との連動を目指し、ジェネリック薬品(後発医薬品)の売上げが多くを占める企業に投資を行います(当該ETFは本年1月に上場したところです)。1月31日現在の上位組み入れ5銘柄は以下の通り。1.テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ (イスラエル 8.46%)、2.アラガン(アイルランド 8.40%)、3.サン・ファーマ(インド 6.49%)、4.バクスアルタ(アメリカ 5.65%)、5.マイラン(アメリカ 5.40%)となっています。
http://www.vaneck.com/market-vectors/equity-etfs/gnrx/Snapshot/

なお、レストランETFとジェネリック薬品株 ETFは今のところ日本の証券会社では購入することが出来ません。


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

マネックスからのご留意事項

「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧