マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も下落パターンの窓についての話です。前回は、国際石油開発帝石の窓あけについてお話ししましたが、売買判断に影響を与える窓が発生した銘柄を発見しましたので、前回の質問の答えは、次回に回すとして、今回は、その売買判断に迷うかもしれない週足の窓あけについてお話ししたいと思います。銘柄は熊谷組(1861)です。
チャートを見ると、週初となる2月29日の月曜日から売り気配で始まり、大きな窓をあけて始まっているのが分かります。
また、週初から売り気配で始まったところで、みなさんはこの窓がどの窓だと考えるでしょうか。窓が大きく空いているため、ここでの売買判断は実際の損益に大きく影響を与えることになりますので、注意が必要です。
そこで、この銘柄のような窓の場合、私は、窓をあけて売り気配で始まったあとについた値段が、どの水準なのかを判断材料にするようにしています。
どういうことかというと、売り気配で始まったあとについた値段は、233円でしたが、過去に遡って、安値をつけた節目(ふしめ)を探すと、2014年2月7日の週の安値225円で、その手前で始まっているのが分かります。
そのため、一見すると、窓が大きいため下に放れて始まった、「ブレイクアウエイギャップ」のように見えるかもしれませんが、コモンギャップという見方もできるのです。
実際の株価を見ると、233円をつけたあと、いったん225円を割り込み、222円をつける場面がありましたが、その後の値動きを見ますと、下ヒゲになって値を戻しているのが分かります。
実際のトレードでは、売り気配になった理由に関わらず、株価の下落が続くのか、あるいは、戻ると考えられるのかによって、売買判断が大きく分かれてしまいます。また、損益状況にも大きく影響を与えることになるのは言うまでもありません。
そのため、今回のように、売り気配で始まり、大きな窓をあけた場合でも、始まった価格が過去の安値よりも少し上で始まった場合、窓の大きさに関わらず、コモンギャップと判断されることもあることを覚えておき、下ヒゲを形成しそうになっている場合などは、安値で売ってしまわないよう注意する必要があると考えられるのです。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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