マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
株式会社インベストラストの福永博之です。さて、今回は、第95回の続きです。この時の銘柄は国際石油開発帝石でした。また、当時の週足チャートを見ると、新安値をつけるなかで窓をあけていたことから、下落が加速する(=逃げる)窓であるランナウエイギャップといった見方が考えられるとお話ししましたが、これだけではなく、もう一つ考えられる窓があるとお話ししました。
これが、95回のときの宿題だったわけですが、みなさん分かりましたか?http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/2016/02/23.html
では、チャートを見てみたいと思います。
株価が下に放れて窓が発生したとき、ランナウエイギャップと共に想定しなければならない窓は、そう、エグゾーションギャップ(=消耗ギャップ)です。
上昇トレンドで発生したエグゾーションギャップは、上昇のエネルギーが減少してしまうことが多く、その後、窓を埋めたり、トレンドが変わったりすることが考えられるのをお話ししました。
そこで、今回の下落トレンドで発生した窓を確認してみたいと思います。チャートを見ると分かりますが、点線の丸で囲まれたところが、質問した週(2月22日)の窓だったわけですが、その週に窓を埋める結果になっているのが分かります。
そのため、この窓(正確には窓だった)は、ランナウエイギャップではなく、エグゾーションギャップだったと考えられるのです。
このように、事前に2つの窓が想定できなければ、売買判断によって、損益結果が大きく変わってしまうことになります。
たとえば、エグゾーションギャップと考えることができた人は、安値で売ってしまうことがないばかりか、様子を見ることも考えられるほか、反発した場合に買い増しすることもできたかもしれません。
一方で、下に放れたランナウエイギャップとしか考えられなかった人は、これ以上の下落を嫌気して、安値で売ってしまったり、から売りをしてしまったりするかもしれません。
このように、どのような株価水準で、どのような窓があいているのかを分析することによって、売買判断が変わってくると同時に、損益にも大きな違いがあらわれますので、慎重に対応する必要があるということを頭に入れておきましょう。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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