マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。さて、前回から上場して間もないIPO銘柄の窓についてお話していますが、前回は、1週目と2週目や、2週目と3週目とのあいだにあけた窓がどの窓に分類されるか、というものでしたが、みなさんは宿題を考えてみてくれましたか?
それでは、最新の株価にアップデートしたチャートを見ながら正解についてお話ししたいと思います。
上場して間もないこの銘柄の1週目と2週目の間にあけた窓は、「ランナウエイギャップ」ではないかと思われます。
その理由ですが、一つ目は、上場した週の初値や安値を割り込んで2週目がスタートしていることから、過去の株価がないところで始まったことになり、投資家の損益状況から考えて売りが出やすく、一方方向に動きが加速しやすいことが予想されます。
二つ目は、窓を埋めきることができなかったことです。これは、ランナウエイギャップの特徴とも言えますが、下落基調が強まるときの典型的な値動きで、一旦窓埋めを試しにいったものの、埋めきることができず、上場初日の最も売買高が多いと考えられる価格(=初値)に届かなかったことから、期待した投資家の失望売りを誘うことが考えられます。
三つ目は、失望売りが出たことによって、陰線が長くなっていることです。陰線が長いということは、週末にかけて売りが止まらなかったことになりますが、陰線が長ければ、それだけ売り圧力が強かったことになります。こうした理由から、2週目にあけた窓はランナウエイギャップ(=逃げる窓)と考えることができるのではないでしょうか。
一方、最初にあけた窓がランナウエイギャップだとした場合、窓をあけた方向に値動きが加速しやすいわけですから、3週目にも窓をあけてスタートする可能性があることが容易に予測できます。また、前回のこのコラムのチャートと、今回のアップデートされたチャートを比較してみてください。
「第101回 窓について(下落パターン)その78」
前回の3週目の陰線は短かったのに対して、アップデートされた3週目の週足は、長い陰線を形成して終えているのが分かります。
このように最初にあけた窓がランナウエイギャップだと予測できた人は、窓を埋めることができずに週末にかけて下落している過程で、ロスカットするか、少なくとも下落するところを買って損失を抱えたり、拡大させたりすることは回避できると考えられるのです。したがって、IPO銘柄で2週目以降に窓をあけ、下方向に放れて始まった場合、リバウンドを狙った買いは、控えるか、慎重に行う必要があると言えるのです。一方、第4週目を見ると、窓をあけることなく3週目の週足の価格の範囲内で取引始まっているのが分かります。
さて、このような値動きになったときは、どう考えればよいのでしょうか。下げ止まりでしょうか。それとも・・・。もう一度みなさんも考えてみてください。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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