第95回「J-REIT ETFで毎月分配金を得る方法」 ETF解体新書

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第95回「J-REIT ETFで毎月分配金を得る方法」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。REITのETFはその仕組みが「二重構造」になっています。まず、REITそのものが多数の不動産を内包するファンド(投資信託)であり、ETFはそのREITを多数組み入れるためです。東証REIT指数との連動を目指すJ-REIT ETF(REIT指数連動型ETF)は、国内市場に上場する全REITを時価総額の大きさの比率で保有します。54銘柄のREITが内包する個々の不動産を総計すると、ETFをひとつ持つだけで優に1,000を超える実物不動産を間接保有することになるでしょう。

現在、国内市場には6本のJ-REIT ETFが上場し、そのすべてが東証REIT指数との連動を目指します。もっとも古いのが2008年9月に上場した「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信」(1343)で、もっとも新しいものは2015年10月に上場した「iシェアーズJリート ETF」(1476)です。

筆者はしばしば「どのJ-REIT ETFを選ぶのがいいですか?」という質問を受けますが、今のところ1343がもっとも純資産が大きく、かつもっとも出来高が多くなっています(1343の直近1ヶ月の1日あたりの平均出来高は10万口を超え、純資産残高はおよそ1,780億円となっています)。

http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=1343

しかしながら、出来高が少ない1476でも純資産額は130億円を超えており、6本のJ-REIT ETFはいずれも相応の資金を集めていると云えるでしょう。

ところで、J-REIT ETFの魅力のひとつが「分配金」です。ただし、ETFで云うところの分配金は既存の投資信託の分配金とは意味合いが異なります。前者の分配金は利益の中からのみ払い出されます。J-REIT ETFでいうと、内包する個々のREITの分配金がETFの分配原資となります。既存の投資信託では、元本部分を取り崩して出す「元本払戻金」も分配金に含まれるため注意が必要でしょう。

6本のJ-REIT ETFは「分配金」の頻度が異なります。たとえば「上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型」(1345)は、奇数月に年6回分配金を出します。それに対して残りの5本はいずれも年4回分配金を出します(ただし分配金が出る月はバラバラです)。そのため、複数のJ-REIT ETFを保有することで毎月分配金を得ることが可能になります(再掲しますが、ここでの分配金は「毎月分配型ファンド」の分配金とは意味合いが異なります)。

具体例を挙げてみましょう。1343、1345、それに「NZAM 上場投信 東証REIT指数」(1595)、「MAXIS Jリート上場投信」(1597)の4本を併せて保有すれば、毎月分配金が得られます。しかも、奇数月のみ2本のETFから分配金が出ることになり、公的年金の受給者には有り難いスキームといえるでしょう。さらに、4本のETFの平均信託報酬は年0.28%程度(税抜)で非常に低コストとなっています。


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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