第104回 窓について(下落パターン) その81 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第104回 窓について(下落パターン) その81 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も新規上場銘柄(IPO)の窓あけについてお話しします。
前回は「新規上場銘柄の窓あけ後の下げ止まりは、安値を更新しなくなるだけでなく、直近の高値を更新するかなども考慮し、下げ止まりの判断材料にする必要があると考えられるのです」とお話ししましたが、実際の株価はどのように動いたのか、検証してみたいと思います。
では、いつものように実際のチャートを見てみましょう。

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上記は、これまでと同じベネフィットジャパンの週足チャートです。上場した週と第2週目の間、そして第2週目と第3週目の間に、それぞれ窓があきましたが、その後の値動きを見るとどうでしょうか。
実際、第4週目に安値を更新しなくなっているのが分かります。また、上場してから第4週目まで一度も前の週の高値を越えられませんでしたが、第5週目を見ると、ついに前週の高値を上回る展開になっているのです。
また、上ヒゲで上回るのではなく、週足の終値ベースで上回っています。このように、週足の陽線を形成して、終値で上回ることが重要です。
なぜなら、投資家の損益状況が変わってくると考えられるからです。仮に上ヒゲで前週の高値を更新しても、終値で更新できずに終えた場合、上ヒゲの価格帯で買った投資家の損益状況は悪化していることになるため、株価が戻ると売りが出る状況が考えられ、窓をあけたあとの底打ちにつながらないと考えられるのではないでしょうか。
一方、週足の終値で前週の高値を更新すると、前週買った投資家は利益が出ていることになるため、戻り売りが出てくる心配が薄れ、株価の戻りを試す展開が期待されることになると考えられるのです。
実際のチャートでは、6週目に売りものが出て始まっていますが、下落が続き陰線の包み足が形成されるような状況にならなければ、株価の下げ止まりが期待されることになるのではないかと思われます。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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