マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。超低金利の世の中では、債券投資に魅力を感じない人が多いかもしれません。しかし国際分散投資を行う投資家に債券は必須のアセットクラスでしょう。本日は「上場インデックスファンド海外債券(Citi WGBI)毎月分配型」(1677)をご紹介します。当該ETFは2009年に国内市場に上場しました。日本の投資家にとって自国以外の世界債券に隈なく投資が行えるツールと云えます。
この1677は「シティ世界国債インデックス(除く日本)」との連動を目指します。日本を含めたシティ世界国債インデックスは、算出開始から30年以上経過した、世界でもっとも有名な債券指数のひとつです。当該指数はその組み入れ対象を「自国通貨建て」の、「投資適格」国債に限っています。組入れ基準は厳格です。同指数を算出するCitigroup Index LLCの「シティ債券インデックスのご紹介」という資料には、当該指数への採用基準が具体的に記されています。
1.市場規模:市場の額面総額合計が500億米ドル、400億ユーロ、5兆円をそれぞれ上回ること。
2.信用格付:組み入れ時は、発行体の自国通貨建て長期債務の格付けがスタンダード・アンド・プア-ズ(S&P)とムーディーズ共にA-/A3以上であること。
3.参入障壁:市場が海外投資家に対して閉鎖的な場合や、方針に一貫性がない場合は、除外理由として考慮する。
実際には、上記3つの条件を3ヵ月連続で満たす必要があります。また、組入れ銘柄は月に一度、月末に切り替わります。残存年数(1年以上)を満たさなくなった銘柄は除外され、新規発行分が新たに組み入れられます。なお、国債の残存期間は3~10年がもっとも多くなっています。
2016年4月現在、日本を除くシティ世界国債インデックスの構成国は22ヵ国ですが、2009年時点のそれと比較すると、ギリシャ、ポルトガルが除外され、メキシコ、南アフリカが新たに加わっています(組入れ地域では概ね欧州が5割強、北米が5割弱を占めます)。1677が連動を目指す指数の概念は古いですが、その中身は常に新陳代謝がなされているのです。
また、1677の信託報酬は年0.27%と低廉です。ただ、デメリットとして単元口数が10口単位のため、売買には50万円以上の資金が必要となります(2016年5月10日現在)。また、当該ETFは毎月分配金を出します。世の中には毎月分配型ファンドが多数存在しますが、ETFである1677は利益の中からのみ分配金を出します。これは投資信託でいうところの元本払戻金がETFにはないということです。継続コストが高い毎月分配型ファンドを保有されている方は、このようなETFに乗り換えられることをお勧めします。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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