第106回 窓について(下落パターン) その83 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第106回 窓について(下落パターン) その83 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。主な企業の決算発表が終わり、株価の反応もほぼ出揃ってきたところですが、業績の発表を受け、現在このコラムでのテーマとなっている新興市場の銘柄のなかには窓をあける銘柄が散見されます。
そこで、今回も新興市場に上場してまだ時間が経っていない銘柄のなかから下落基調のなかで窓をあけている企業について分析してみたいと思います。
銘柄はAppBank(6177)です。ではチャートを見てみましょう。

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このAppBankは、2015年10月15日に上場しましたが、その週は大陽線を形成しているのが分かります。そして翌週には窓をあけて上昇が続く結果となりました。
一方、同年10月26日の週に高値5,220円をつけると、長い上ヒゲ陰線を形成したあと、下落基調に転じているのが分かります。
また、その後も同年の12月に入っても下落が続き、上場した週と翌週とのあいだにあけた窓を埋めると、株価の戻りらしい戻りもないまま下落基調が続く結果となってしまっています。
そうしたなかで、先週末の業績発表を受け、週初から大きな窓をあけて取引がスタートする結果となっているのです。
また、上場して時間が余りたっていないことから安値の目途が見当たらないことに加え、今週の窓をあけた時に形成された安値が上場来安値となっていることもあり、今回あけた窓は「ランナウエイギャップ」ではないかと考えられるのです。
ただ、週初となる月曜日だけの値動きを見ますと、ローソク足が上ヒゲ陽線を形成しているのが分かりますが、このまま週初の安値836円を割り込まずに陽線を形成して週末の取引を終えることができるかに加え、翌週も下落が止まると同時に、下げ止まって前週の週足の高値を更新できるかが、ランナウエイギャップからエグゾーションギャップ(消耗ギャップ)に変化するのかの注目点になるのではないかと思われます。
一方で、週末にこの安値を更新して終えるようですと、下落が継続すると同時にランナウエイギャップが完成することになりますので、押し目買いは控えるか、慎重に行う必要が出てきそうです。
いずれにしても、下放れてあけた窓が、ランナウエイギャップになるのか、エグゾーションギャップに変わるのか、今後の参考にするため、注意して見ておくようにしてください。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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