第109回 窓について(下落パターン) その86 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第109回 窓について(下落パターン) その86 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回はランナウエイギャップがエグゾーションギャップに変わったところまでお話ししましたが、今回は、エグゾーションギャップに変わったあとの株価動向について確認したいと思います。
それでは実際のチャートを見てみましょう。

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上記のチャートは6月6日の終値までを表示したものになりますが、株価が下げ止まってエグゾーションギャップに変わったと判断されたあと、株価が戻しているのが分かります。
ただ、窓をあけた翌週とその翌週も上ヒゲを形成しています。そこで重要になるのが、その上ヒゲです。
この上ヒゲの何が重要なのかと言いますと、どこで上ヒゲが止まっているか(=高値がどの水準に達して押し返されたのか)という点です。
なぜなら、窓はトレンドを発生させたり、加速させたりすることがあるとこれまでお話ししてきましたし、実際の株価の変化も見てきましたが、今回のようにエグゾーションギャップに変化した場合、下げ止まったあと、ある一定の水準まで戻ることがあるからです。
そしてその一定の水準というのが、窓を埋める価格なのです。
また窓を埋める価格とは、窓をあける前の終値になりますので、確認してみますと、5月9日の週の安値1,136円になります。
では、先週の高値(=上ヒゲの先)はいったいいくらだったのでしょうか。確認してみると、1,165円でした。
このように窓をあける前の安値である1,136円を上回る1,165円に達したことで、窓埋めを達成したことになります。
ただ、窓を埋めたあとの株価動向を見ますと、冒頭にも書いたように上ヒゲを形成しているのです。
前回の最後にも書きましたが、このようにエグゾーションギャップが発生したあと、窓を埋める場面があることに加え、窓を埋めたあと、達成感から値を保てなくなることもあるということがお分かりいただけたのではないかと思います。
こうしたことから、窓をうめたところで一旦利益を確保したり、ロスカットしたりするのが、売買のセオリーとなりますので覚えておきましょう。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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