第113回 窓について(下落パターン) その90 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第113回 窓について(下落パターン) その90 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

参議院選挙で与党が勝利し、経済対策への期待が高まったことに加え、円高が一服したことが好感され、7月11日(月)の日経平均株価は601円高となりました。また、この上昇幅は今年4番目となっているそうです。
さらに業種別で見ても33業種全てが値上りしており、窓あけて下落する銘柄は無いのではないかと思われるかもしれませんが、実はこのようなほぼ全面高の日でも、東証1部の銘柄のなかに、窓あけて下落している銘柄があるのです。
これまでのテーマは、新興市場銘柄の窓あけ(下落パターン)についですが、タイムリーな値動きなので、これまで勉強したことを参考に実践的な判断を試してみたいと思います。
さて、その銘柄ですが九州電力(9508)です。ではチェックしてみましょう。
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上のチャートは週足チャートですが、日経平均株価が601円高で終えた日に、売り気配で始まり、結局窓をあけたまま取引を終える結果となっています。
この理由は、鹿児島県知事選挙で、原発を一時停止して施設の点検と避難計画の見直しを行うと公約した候補が当選したためと、解説されています。
東京市場のほとんどが値上りしているなかで、このような値動きになってしまいますと、持っておいた方が良いのか、売ってしまった方が良いのか、悩むところです。
そうしたなか、このように窓をあけて終えた場合、この窓はどのような窓と考えればよいのでしょうか。
これまで一緒に確認してきたように、この窓がどの窓なのかを判断できなければ、売買判断を誤ってしまうことになりかねません。
そこで、チェックしなければならないのが、過去の値幅の範囲内であるかどうかです。このチャートは2014年1月からのチャートですが、この期間内ですと、過去に下げ止まったところが見当たらないため、ランナウエイギャップ(=逃げる窓)となってしまうのかどうか考えなければなりません。
さらに、過去の値幅の範囲内ではなくても、エグゾーションギャップ(=消耗ギャップ)となることも考えなければなりません。
このように、これまで勉強してきたいくつものパターンを当てはめて予測していきます。
一方、もう一つの考え方としては、表示期間をさらに延ばしてみるとどうなるかです。新興市場銘柄の場合、上場してあまり時間が経過していないことも考えられますので、範囲を広げても、結果は変わらない可能性がありますが、東証1部銘柄の場合は、上場して長ければ長いだけ、下げ止まりの目途となる節目が見つかることが考えられます。
では、ここであけた窓はどの窓になるのか、みなさんも考えてみてください。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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