第116回 窓について(下落パターン) その93 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第116回 窓について(下落パターン) その93 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週は前回宿題にした、「きりの良い水準」について解説したいと思います。

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そう言えば、前回は先に答えを出していましたね。答えは919円でした。この値は、窓をあけたあとに下げ止まった価格(912円)の近似値となります。
では、この下げ止まりの目途となる値は、どうやって導き出されたのでしょうか。
そこで基準として最初に頭に思い浮かべなければならないのが、高値と安値を決めることです。それが決まらなかったり、間違っていたりした場合は、正確な答えは出てきません。
そうしたなか、今回の高値と安値となっているのが、2012年9月の安値454円と、2015年8月の高値1,850円となります。これは、だれが見ても安値と言えるでしょうし、だれが見ても高値と言えるのではないでしょうか。

そして次のステップですが、この高値と安値の値幅から、下げ止まりの目途となる水準を当てはめます。その水準が、フィボナッチリトレースメントの38.2%や、50%、61.8%のほか、3分の1、2分の1、3分の2などとなります。
また、高値から下げ止まりの目途を探る場合は、押し(オシ)となり、逆に反発の目途を探る場合は、戻し(モドシ)となります。
そうしたなか、今回は高値からの下げ止まりの目途を探るわけですから、押しの水準を探ることになるわけです。

では、もっとも分かりやすい50%押しを計算してみましょう。実際の計算式はというと・・・。
(1,850円+454円)÷2=1,152円となります。
続いて、フィボナッチリトレースメントの61.8%押しを計算してみましょう。これは、高値から安値の値幅の61.8%押しということになりますので、
1,850円―(1,850円-454円)×61.8%=987.27円となります。
このように少しずつ912円に近づいてきましたね。
では、61.8%の次に目途となる水準は何でしょうか。そうです。3分の2(≒66.66%)押しになります。では当てはめてみます。
1,850円―(1,850円-454円)×66.66%=919.42円と、前回の答えになりました。
ということで、下げ止まりの目途となる水準をこのように予め導き出しておけば、この値に近づいたところで、株価の動向を見て売買判断ができますから、窓があいたと同時に、こうした水準についても直ぐに判断できるようにしておきたいところです。
そうすれば、株価が下落するところを慌てて売ったり、買ったりする必要はなく、無理せず安値となりそうな価格の目途を探ることができ、ロスカットしたり、慌てることなく安値を買うことができたりしますので、是非覚えておきましょう。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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