マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。人は他人のお金を扱うとき、謙虚になります。まして他人のお金を運用するとなれば、大きなリターンを狙うよりリスクをいかに掌握できるかに腐心するはず。このマインドは、年金保険料を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)やカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)、あるいはハーバード大学の資産運用を一手に担うHarvard Management Company(HMC)などに共通しています。
資産運用を行うあなたは、ひとつの仕事として自分のお金の運用を託されているのです。そう認識すれば、自ずとポートフォリオ(資産配分)を意識した運用になるのではないでしょうか。月並みですが、投資の本質とは何かを選ぶことではなく、できるだけ広範な組み合わせを作ることなのです。
ポートフォリオを異なる投資対象の組み合わせと捉えると、「資産」の組み合わせ、「国・地域」の組み合わせを作ることができます。また、同じ資産内でも、「規模」の異なる投資対象を併せて保有することが可能です。具体的に見ていきましょう。世界の資産市場の過半を占める「株式」と「債券」でポートフォリオを組みます。まず、米国上場ETFで「株式」を国・地域分けすると、大きく米国・先進国(除く米国)・新興国に分かれます。年間経費率が低く、出来高、純資産額ともに豊富なETFとして、「スパイダー S&P 500 ETF」(SPY)、「バンガードFTSE 先進国市場(除く北米)ETF」(VEA)、「iシェアーズ コア MSCI エマージングマーケッツETF」(IEMG)が挙げられます。
さらに株式の中で「小型株」にも投資対象を広げれば、「バンガード・スモールキャップETF」(VB)、「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF」(VSS)、そして「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット小型株 ETF」(EEMS)が保有可能です。
次に債券でも、米国・先進国(除く米国)・新興国という区分けを行ってみます。代表的なETFとして「バンガード米国トータル債券市場ETF」(BND)、「iシェアーズ 世界国債(除く米国)ETF」(IGOV)、「マーケット・ベクトル新興国債券(現地通貨建て)ETF」(EMLC)が挙げられます。続いて、ポートフォリオの基本比率を決定しましょう。モデルポートフォリオは株式を60%、債券を40%とし、株式内は「大型株」、「小型株」をそれぞれ48%、12%保有します。そして大型株、小型株ともに、米国・先進国(除く米国)・新興国の比率を1:1:1とするのです。
一方、債券は新興国を10%、米国と先進国(除く米国)をそれぞれ15%ずつ保有します。ETFはすべて米ドル建てでの取引となりますが、先進国株式(除く米国)と先進国債券(除く米国)部分に日本株、日本債券が含まれるため、すべてが外貨建て資産になるわけではありません。最後に上記9つのETFの「平均年間経費率」は約0.24%に収まります。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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