第127回 窓について(下落パターン) その104 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第127回 窓について(下落パターン) その104 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回は残りの2つの窓の種類について解説します。それでは例によってチャートを見てみましょう。


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残りの2つの窓は、移動平均線の下で発生していると同時に、全ての移動平均線が下を向いているのがわかります。そのため、下降トレンドのなかで発生した窓だということになります。
また、下降トレンドで発生した窓であることから、さらに下落基調が強まる可能性があることを警戒しなければいけません。
そうしたなかで前回と同様に、この窓が発生した水準も考慮に入れて窓の種類を考える必要があります。
そこで左から3つ目の窓があいた水準をみると、直前の6月の安値である1,253円(四角で囲まれた部分)を下回って窓があいたことから、一旦ブレイクアウエイギャップと判断されるかもしれませんが、もう少しさかのぼってみると、2月の安値990円(四角で囲まれた部分)があり、過去の値幅の範囲内で発生した窓と考えられることから、この窓もコモンギャップ(普通の窓)となるわけです。
その証拠に、3つ目の窓をあけたあとの株価動向を見ると、加速することなく下げ止まっているのがわかります。
続いて4つ目の窓ですが、この窓も2月の安値に接近するところであいているのがわかります。ただ、3つ目の窓と同様に2月の安値の手前で下げ止まってから値動きが小さくなり、翌週には2月安値を割り込むことなく反発する結果になっています。
このように過去の値幅の範囲内で発生して安値を下回ることなく下げ止まった窓は、コモンギャップとなり、下落が加速しないばかりか、下降トレンドのなかで発生した窓であっても、反発に向かうこともあるので安値で売ってしまわないよう注意が必要なのです。
特に新興市場の銘柄は、値動きが軽いことが多く、この銘柄のように下げ止まったと判断されるや、一気に反発することもありますので、繰り返しになりますが、安値で売ってしまわないよう注意したいところです。
ところで、今回のように直近の安値(3つ目の窓のケースでは6月の安値)を割り込んで窓が発生した場合、どこまで下げ止まりの目途をさかのぼる必要があるのでしょうか。
これは私の経験則ですが、直近の安値とその次の安値まで、最低限さかのぼる必要があると考えています。
またできれば、さかのぼることができるだけさかのぼって、下げ止まりやすいところを探しておくことが安値で売ってしまわない見分け方になるのではないかと思われます。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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