第129回 窓について(下落パターン) その106 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第129回 窓について(下落パターン) その106 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回は宿題を出しましたが、みなさん考えてみましたか?
前回の宿題は、「このチャートの窓を見て、みなさんはどの窓だと判断されますか?」、また、「その判断の理由を説明してください」というものでした。では、一緒に見てみましょう。


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では先ずこの窓の種類について考えてみましょう。
この窓は、会計監査人の異動と一時会計監査人の選任を発表したことが嫌気されて発生した窓になりますが、窓が発生した週は下ヒゲを形成して下げ渋る結果となりました。
また、窓があいた価格帯を過去に遡って確認してみると、過去の値幅の範囲内に収まっているのがわかります。
こうした理由から、宿題とした窓の種類は、「コモンギャップ(普通の窓)」ということになります。
さらに、今回の窓が下げ渋った理由についても考えてみましょう。価格の下落が止まったり、上昇が止まったりするときに目安となるのが、過去の安値や高値といった節目(フシメ)の存在でした。
今回大きくあけた窓が下げ渋って下ヒゲを形成しているところはどうでしょうか?節目があったのでしょうか。

実際に確認してみると、6月20日の週の安値が950円だったわけですが、窓をあけた週は、この950円に近づく971円まで下落して下げ止まっているのがわかります。
こうしたことから、節目が意識され、売り込む動きが限定的になると同時に、下げ渋ったところから、買い戻す動きが活発化して下ヒゲを形成したのではないか思われます。
また、買い戻す動きについてですが、このオークファンは、新興市場銘柄としては珍しい貸借銘柄となっています。

貸借銘柄とは、制度信用取引で売り建てが可能な銘柄のことを言いますが、今回の下落は、こうした信用取引による売り圧力の強まりが大きな窓を発生させたと同時に、過去の節目に近づいて下げ渋りと買い戻す動きにつながったと考えられます。
こうしてみると、貸借銘柄か信用銘柄かということも新興市場銘柄を売買するときには注意しておかなければならないポイントと言えそうです。
ただ、その後の株価動向を見ますと、窓をあけたあとに下げ渋ったかに見えましたが、下げ止まりの目途と見られていた前述の節目(950円)を割り込んでいるのがわかります。
こうなりますと、次はどこまで下がるのでしょうか。それともそろそろ下げ止まるのでしょうか。
次回はこの点について考えたいと思います。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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