第111回 「2016年資金流入が多かったETFトップ10」 ETF解体新書

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第111回 「2016年資金流入が多かったETFトップ10」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。ETFはかつてないほどその形態が多様化しています。株式の分野ではスマートベータのETFが一世を風靡し、債券ETFもバラエティー豊かになっています。また、レバレッジ・インバース型は資産を問わずその扱い本数が増えています。しかしながら、シンプルで名の知れた大型のETFに資金流入が続いているという傾向は2016年も変わらなかった模様です。
ETFのポータルサイトETF.com「Most Popular ETFs Of The Year」(外部サイトへ遷移します)という記事内では、米国上場のETFで今年もっとも資金流入が多かったトップ10を挙げています(年初より12月6日までの資金流入)。

下記トップ10のETFだけで約871億ドルの資金流入がありました。トップ4のうち3銘柄がS&P500との連動を目指すETFとなっています(単位のBは10億USドル)。


1位 スパイダー SPDR S&P 500 ETF(SPY)11.3B

2位 iシェアーズCore S&P 500 ETF(IVV) 11.2B

3位 iシェアーズCore U.S. Aggregate Bond ETF(AGG)10.9B

4位 バンガードS&P 500 ETF(VOO)10.7B

5位 スパイダー Gold Trust(GLD)9.1B

6位 バンガードFTSE Developed Markets ETF(VEA) 8.8B

7位 バンガードFTSE Emerging Markets ETF(VWO) 6.7B

8位 iシェアーズTIPS Bond ETF(TIP)6.5B

9位 iシェアーズCore MSCI Emerging Markets ETF(IEMG)6.5B

10位 バンガード Total Stock Market ETF(VTI)5.2B

債券ETFは2本がランクイン。3位のAGGは米国総合債券ETFです。8位のTIPは米国物価連動国債のETF。新興国株式ETFは2本あり、7位のVWOは「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)指数」との連動を、9位のIEMGは「MSCIエマージング・マーケッツIMI指数」との連動を目指します。

3大運用会社、ブラックロック(iシェアーズ)、バンガード、ステートストリート(スパイダー)に安定的な資金流入があった一方、ブティック型のETF運用会社も健闘しました。一例ですがヴァンエックはこの1年でおよそ50%も純資産残高を伸ばしています。その原動力となったのが、ヴァンエック・ベクトル 金鉱株ETF(GDX)です。当該ETFは金・貴金属の採掘・精錬に関わる企業を組み入れています(当ETFのみで本年約35億ドルの資金流入があった模様)。その他、チャールズ・シュワブ、アルプス、インベスコ・パワーシェアーズといった運用会社も純資産残高を伸ばしました。米国上場のETFはさらに厚みを増し、来年も順調な成長が見込めるでしょう。


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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