第140回 窓について(下落パターン) その117 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第140回 窓について(下落パターン) その117 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。
前回は、日経平均株価が大発会の日にあけた窓について質問しましたが、みなさん考えてみましたか?
では、実際のチャートを見てみましょう。

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チャートを見ると、大発会にあけた窓に加え今月19日にも窓をあけているのが分かります。また、大発会の日にあけた窓を見ると、上昇が加速するような印象を受けますが、実際にはどうだったのでしょうか。
先行きを予測するためには、これまで解説してきたように、窓の種類を考える必要があります。では、大発会にあけた窓はどの窓だったのでしょうか。この窓の種類が判断できていないと、売買判断を誤ってしまうことになりますので慎重に考える必要があります。
では、大発会であけた窓を分析してみましょう。
まず、どの水準で発生したかですが、この窓は高値水準で発生しているものの、昨年12月21日の高値と同30日の安値の間で発生しているのが分かります。
一方で、年初来高値を更新して終えたのですが、このようなかたちになったときは、どの窓と考えればよいのでしょうか。
答えは、コモンギャップ(普通の窓)と思われます。理由ですが、この日昨年来高値を更新しているため、ひょっとしてみなさんのなかには、ブレイクアウエイギャップやランナウエイギャップと考えた人がいるかもしれません。
もしそう考えたとしますと、流れに乗るために買いを入れている可能性がありますね。ただ実際のチャートを見ると、その後は終値で高値を更新できずに反落しているのが分かります。
では、高値を更新しているのになぜコモンギャップなのかですが、窓を考えるときには、窓そのものが高値を更新しているかどうかが重要になります。
大発会の窓のケースでは、前述のように昨年12月21日の高値と同30日の安値の間で発生しているため、終値で高値を更新していますが、窓は値幅の範囲内で発生しているということになり、コモンギャップという判断になるのです。
したがって、コモンギャップと判断したところでは窓を埋める可能性があるため、高値を追いかけて買ってはいけないところになるのです。
こうした予測が予めできたために、年始のコラムでみなさんに質問を投げかけたわけです。
こうしてみると、高値圏で発生した窓だからといって、一概に強いと判断してはいけないことがお分かりいただけたと思います。
では、どうなるとブレイクアウエイになるのでしょうか。また、2つ目の窓についても次回までにみなさんも考えてみてください。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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