マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。2011年から国内市場に上場するETFに「上場インデックスファンド豪州リート(1555)」(以下「上場Aリート」)があります。オーストラリアのREIT(リート)に特化したETFとなります。運用会社は日興アセットマネジメント。当該ETFは、オーストラリア証券取引所上場の不動産投資信託(REIT)の値動きを表す指数である、「S&P/ASX200A-REIT指数」の円換算値との連動を目指します(同指数は、オーストラリアの株式市場の動向を表す「S&P/ASX200指数」からリート部分を抜き出したサブ・インデックスです)。
オーストラリアREITの歴史は、1971年にジェネラル・プロパティ・トラストが上場した時点まで遡ります。豪州には「スーパーアニュエーション」という積立型の退職年金制度があり、1992年に同制度の改正が行われました。この年から雇用主による掛金拠出が義務付けられたのです。これを機に同制度の普及が進み、結果としてREIT市場にも年金資金が継続的に流入するようになりました。オーストラリアは人口が断続的に増え、また直近では鉄鉱石などの資源価格も持ち直しています。
「上場Aリート」のいちばんの魅力は分配金でしょう。1月、3月、5月、7月、9月、11月の年6回「分配金」を出します。分配金利回りは3.57%(1月31日現在)であり、安定した利回りを維持しています(なお、信託報酬は年0.486%です)。次に「上場Aリート」の上記組入れREITを見てみましょう。
1.センター・グループ (22.16%)、
2.ウェストフィールド・コーポレーション (15.81%)、
3.ストックランド (9.29%)、
4.グッドマン・グループ (9.27%)、
5.ビシニティ・センターズ (8.84%)
(カッコ内は組入比率。2016年 7月29日現在)。
1位と2位の組入れ比率が約38%と大きいため、このふたつのREITに影響を受けやすい構造となっています。注目は、2位のウェストフィールド・コーポレーションと4位のグッドマン・グループでしょう。ウェストフィールドはアメリカ、イギリスなどでショッピングセンター、モールを運営しており、賃料収益は100%海外です(オーストラリアから見た場合)。一方、グッドマン・グループは物流倉庫、配送センターを所有し、賃料収益のおよそ40%が海外です。つまり、「上場Aリート」は豪州リートと謳っていますが、グローバルな投資対象を含んでいるのです。
1位のセンター・グループは、Westfield ブランドのショッピングセンターをオーストラリア、ニュージーランドで多数保有しています(実は1位のセンター・グループと2位のウェストフィールド・コーポレーションは、もともとひとつの会社「ウェストフィールド・グループ」でした)。また、4位のグッドマン・グループは、オーストラリアのみならず、世界各地で多彩な顧客に物流スペースを提供しています。たとえば、Eコマースでは、アマゾン、ザランドなど、小売では、ウールワース、テスコなど、あるいは自動車では、マツダ、BMW、フォルクスワーゲンなどが顧客になっています。最後に、豪州のREITは負債比率が概ね30%程度であり、財務的にも健全な状態を保っていると云えます。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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