第148回 窓について(下落パターン) その125 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第148回 窓について(下落パターン) その125 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についてお話ししますが、今回は前回の問題の解説になります。
前回の問題は、「どこでブレイクアウェイギャップからエグゾーションギャップに判断を切り替える必要があったのか」でしたが、みなさんはわかりましたか?


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では解説したいと思います。まず窓が発生したときに勢いがあるかないかを考えるときに重要なことからお話ししたいと思います。
特に今回のケースでは、最初にブレイクアウェイギャップと判断されたわけですから、このブレイクアウェイギャップの条件をしっかり頭に入れておく必要があります。
ブレイクアウェイギャップは、直近の高値を上回ったあと、そのまま逃げていく窓になるのがその特徴でした。
そうなりますと、直近の高値を上回って始まったあと、そのまま値を保って上昇を続ける必要があるわけです。また、仮に上昇の勢いが鈍ったとしても、取引終了時には始値を上回って陽線を形成する必要があります。
なぜなら、始値よりも終値の方が高いことになり、上昇の勢いが当日の取引終了まで続いたことになり、翌日のさらなる上昇も期待させることになるからです。
こうした2つのポイントを考慮しつつ実際の株価を確認してみましょう。3月2日に起こった実際の値動きを見ますと、最初は高値を上回って始まり、その後も19,668円をつけるなど、上げ幅を拡大すると同時に取引時間中の昨年来高値を更新していました。
ところが、その後伸び悩むと徐々に上げ幅を縮める展開となりました。もちろん3月1日と2日の間の窓を埋めるところまで上げ幅を縮めたわけでありませんから、前日との株価比較では勢いが弱まっているとは考えづらいかもしれません。
そこでもう一度ブレイクアウェイギャップの特徴を思い出してみてください。ブレイクアウェイギャップは直近の高値を上回って価格を維持すると同時に、そのまま上昇が続く必要があるわけですが、この3月2日の日中の値動きを振り返りますと、午後に伸び悩んだところで1月5日の高値19,615円40銭を上回ったまま維持することができずに、この高値との窓を埋めてしまうことになってしまったのです。
このように前日との窓はあいたままになっていても、ブレイクアウェイギャップと判断した根拠となる直近の窓を埋めてしまったことから、ブレイクアウェイギャップは成立しなくなったと考えることができるわけです。
そのため、答えは「ブレイクアウェイギャップと判断した根拠となる直近高値との窓を埋めてしまった時点」で判断を変える必要があったとなるわけです。
では、ブレイクアウェイギャップが否定されたあと、エグゾーションギャップかどうかの判断はどこで行うことができたのでしょうか。
これは、次回解説したいと思いますので、みなさんもよく考えてみてください。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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