第149回 窓について(下落パターン) その126 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第149回 窓について(下落パターン) その126 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓について、先週の続きです。
先週は、「ブレイクアウェイギャップが否定されたあと、エグゾーションギャップかどうかの判断はどこで行うことができたのでしょうか」という話でした。
では、ローソク足チャートを見て考えてみましょう。

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エグゾーションギャップを日本語に直すと「消耗ギャップ」となりますが、この消耗の意味を考えてみると答えが思い浮かぶかもしれません。
窓があいた状態で消耗という意味を考えると、どのようになるでしょうか。消耗の意味を調べてみますと、「体力や気力を使い果たすこと」というものがありました。
人の場合、体力や気力を使い果たすと、それまでの勢いが失われることが多いですが、エグゾーションギャップもそうしたイメージを持つと良いかもしれません。
では、株価では「体力や気力を使い果たす」とはいったいどういうことなのでしょうか。
もうお分かりですよね。そうです。取引開始時の価格を維持できずに弱含むことが挙げられます。
では、株価が弱含むパターンをローソク足の形で考えてみてください。どのような形が考えられるでしょうか。
そこで直ぐに思い浮かぶのが、取引開始時の価格を下回る陰線ではないでしょうか。ただ、陰線にはいろいろな形があります。短い陰線、長い陰線、下ヒゲがあるもの、下ヒゲがないものなど、さまざまです。
そうしたなかで、エグゾーションギャップと確認できるのは、どのような形になると思いますか?
そうです。陰線のなかで最も弱いパターンです。それは、上ヒゲ陰線です。また、上ヒゲ陰線の安値引けになったものになります。(安値引けは坊主「ぼうず」と呼びます)
では、チャートに戻って確認してみたいと思います。3月2日に形成されたローソク足は、何と、その上ヒゲ陰線の坊主なのです。
このように、取引開始時に直近の高値を上回って窓をあけて上昇して始まり、ブレイクアウェイギャップのように見えても、上ヒゲを形成すると同時に当日の安値で終えて上ヒゲ陰線を形成するようなパターンでは、前日の価格との間に窓をあけていたとしても、直近の高値を下回って窓を埋めていることや、安値引けとなっていることからエグゾーションギャップと判断されることになるのです。
また、取引時間中に陽線に戻すことができないと判断されるときや、陰線で終えそうだと判断されるようなときは、ブレイクアウェイギャップに見えても、エグゾーションギャップに切り替わることがあることを頭に入れ、高値掴みをしないよう注意したいところです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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