第158回 窓について(下落パターン) その135 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第158回 窓について(下落パターン) その135 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

前回はブレイクアウェイギャップがエグゾーションギャップに変わることについてお話ししましたが、今回もその続きです。それではチャートをご覧ください。

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前回まで、ブレイクアウェイギャップがエグゾーションギャップに変わる条件などについて解説しましたが、今回はエグゾーションギャップに変わったあとの予測される動向についてお話ししたいと思います。
先ずはブレイクアウェイギャップについて確認します。最初にブレイクアウェイギャップとされたのは、5月2日と8日のあいだにあけた窓ですが、この窓をあけたあとの株価が伸び悩んだことや、2日と8日にあけた窓を18日に埋めてしまったことからこの窓はエグゾーションギャップに変わってしまいました。
そこで今回のテーマですが、エグゾーションギャップが発生したあとの株価動向についてです。
そもそもブレイクアウェイギャップとエグゾーションギャップは真逆の特徴と言ってもいいと思いますが、高値を更新して一気に株価が伸びると判断されたにもかかわらず、株価の上値が限定的になってしまい反落してしまうわけですから、その後の動向が気になるところです。そこで予測される動きが・・・。
そうです。上値が重たくなったり、エグゾーションギャップが形成されるあいだにつけた高値が一旦株価の天井になったりすることが考えられるのです。
実際の日経平均株価の日足チャートをご覧ください。このチャートを見ると分かりますが、前述のように18日に大幅安となって窓を埋めましたが、日経平均株価の一株当たり利益が上昇して過去最高となる1,400円台を記録してPERが14倍台前半で推移しているにもかかわらず、その後の株価動向を見ますと5月25日まで反発が続いたものの、結局高値を更新することができずに上値の重たい状況になっているのが分かります。
このように、ブレイクアウェイギャップと見られた窓が結果的にエグゾーションギャップに変化した場合、そのあいだに形成された高値が当面の株価の天井となってしまい、直ぐに更新することができない状態になることが考えられるのです。
そのため、押し目買いを行なったとしても上値が重たいときは利益確定を優先させる必要があると言えます。
また、高値圏で買ってしまった投資家も株価が戻ると考えて売り時を逃してしまいがちですので、ブレイクアウェイギャップがエグゾーションギャップに変わってしまった場合の上値は限定的になることが多いことを頭に入れ、買値に届かなくてロスカットになるかもしれませんが、売り時を逃さないようにしたいところです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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