第123回「アジアのリートETFが上場」 ETF解体新書

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第123回「アジアのリートETFが上場」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。不動産は個別性が強い資産です。物件ごとで所有者が違って当たり前と感じられるかもしれません。しかし、ひとつの不動産会社が多数の物件を所有する場合があります。そこから一歩進んで、税制上の優遇を受けた「投資法人」が多数の不動産を所有し、その法人が株式市場に上場するケースもあるのです。それがREIT(不動産投資信託)です。REITは不動産の新しい所有形態であり、特にアジアではまだその動きは始まったばかりです。つまり、市場としてはまだ勃興期にあり、そのポテンシャル(潜在可能性)は高いと考えます。
先月、国内市場に上場した「上場アジアリート」(1495)は、日本を除くアジアの24のREITを内包するETFです(運用会社は日興アセットマネジメント)。当該ETFはその形態がユニークです。今年3月にシンガポール市場に上場した「Nikko AM-Straits Trading Asia ex-Japan REIT ETF」に投資を行う、いわば「ファンド・オブ・ファンズ形式」のETFなのです。
「上場アジアリート」(1495)は、円換算した「FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数」と連動する投資成果を目指します(1銘柄への投資上限が10%となります)。分配金は1月、4月、7月、10月の年4回です。売買単位は10口単位。運用管理費用の実質負担は年0.708%(税込)程度となります。

国別の組入れを見ると、シンガポール、香港、中国で9割以上を占めます。その他、韓国、台湾、タイ、マレーシア、インドネシアなども指数に組入れられています(それぞれの国ですでにREITが上場しています)。
組入れREITの上位を見てみましょう。第1位は「Ascendas Real Estate Investment Trust」です。この「アセンダスリート」は、ビジネススペースと工業用不動産を専門に扱う、シンガポール最大にして最初のREITです。
また、組入れ3位の「CapitaLand Mall Trust」、5位の「CapitaLand Commercial Trust」は、ともに親会社がシンガポールの不動産会社、キャピタランド(CapitaLand Limited)となっています。組入れ8位の「Fortune Real Estate Investment Trust」は香港のREITです。香港内で17の商業施設を運営しています。代表的なものとして「Fortune City One」「Fortune Kingswood」「MA ON SHAN PLAZA」などがあります。「MA ON SHAN PLAZA」は馬鞍山駅に隣接するショッピングモールです。モールの中央にはメリーゴーランドがあり、フードコートやレストラン、ブティック、書店などが軒を連ねており、地元の人々に親しまれています。
なお、「上場アジアリート」(1495)の業種別内訳は、産業用およびオフィス43.9%、商業施設40.9%、分散型リート9.0%、住宅2.5%となっています。当該ETFを通じて、都市化するアジアに効率的に投資を行うことが可能になるでしょう。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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