第170回 窓について(下落パターン) その147 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第170回 窓について(下落パターン) その147 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についてお話ししたいと思います。それにしても東京市場では、日経平均株価にたくさんの窓が開いています。前回はコモンギャップと考えられるにもかかわらず下落が続いた理由と、下げ止まった水準について解説しましたが、今回も下げ止まっている理由と大切な水準について移動平均線から確認したいと思います。
それではいつものようにチャートを確認してみましょう。

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今回下げ止まっている理由に挙げることができるのが200日移動平均線です。200日移動平均線は、営業日数で1年弱の終値の平均価格となりますが、この移動平均線の値を終値で割り込むと、この1年間でETFなどの日経平均株価を持っている投資家の評価損益がマイナスになることも考えられ、非常に重要な移動平均線ということが言えます。
一方で、割り込むときはあっさり割り込むこともあるわけですが、ここで200日移動平均線を割り込んでしまうようですと、損益状況からさらに上値が重たくなることが考えられ要注意となりそうです。
また、200日移動平均線を終値で割り込むようですと、4月17日の安値から6月20日の高値までの値幅の50%押しの水準(19,271円39銭)も割り込む可能性が高くなり、4月から直近までの値動きから判断しても、損益状況が悪化することが考えられ、売り圧力が強まることも考えられるのではないかと思われます。
そうしたなか、29日の早朝に北朝鮮がミサイルを発射したことからこの日の日経平均株価は窓をあけて取引が始まっているのです。
こうなりますと、前述の200日移動平均線を下回ってしまうのか、あるいは取引時間中に割り込む場面があっても終値で維持することができるのかで、29日に発生した窓がコモンギャップで終わるのか、あるいはトレンドが発生する窓になるのか、の判断材料になるのではないかと思われます。
また、200日移動平均線に加え、半値押し水準を割り込むかも注目ポイントになると思われますが、仮に割り込んでしまうようですと、50%押し水準の下にある61.8%押しや76.4%押しの水準などが次の下げ止まりの目途になると思われます。
200日移動平均線や50%押しの水準を上回ったまま維持できるのか、週末にかけてアメリカの経済指標の発表も予定されており、目が離せない1週間となりそうです。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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