第171回 窓について(下落パターン) その148 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第171回 窓について(下落パターン) その148 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についてですが、窓があいた場面で加速する窓になるのか、あるいは加速せずに止まるのか、現在の東京市場の値動きを見るにつけ、こうした判断がとても重要だということが分かりますが、先週の日経平均株価の値動きはどうだったのでしょうか。
また、今週の値動きのヒントになるのでしょうか。それではチャートを見てみたいと思います。

20170905_fukunaga_graph01.png

先週は地政学リスクが高まることがたくさんありました。ひとつ目は29日の早朝に行われたミサイル発射です。ふたつ目は9月3日に行われた核実験です。
最初のミサイル発射によって当日の株価は売り先行で始まりましたが、丸い点線で印をつけた部分をご覧ください。
ミサイルが日本列島の北海道上空を通ったとする報道もあって、窓をあけて売り気配で始まったあと、そのままもっと下げるのではないかと思われた投資家の方が多いのではないかと思われますが、チャートを見ますと、上向きの200日移動平均線上で下げ止まると同時に、下げ渋ったあと陽線を形成して終えているのが分かります。
また、その日から3連騰して終えるなど、下向きの25日移動平均線まで反発して終える結果となりました。
さらに8月29日の下げ止まった水準というのが、これまで指摘した4月17日の安値から6月20日の高値までの値幅の50%押しの水準となっているのです。
このように、200日移動平均線と50%押し水準がちょうど合致したところで下げ止まると同時に反発しているわけですが、こういったことを予測することがテクニカル分析の醍醐味と言えるかもしれません。
もちろん日本国内に被害が無かったことや、米朝の衝突が起こっていないことが大きな要因と思われますが、今回のように地政学リスクが実際に高まるなかで、これまでみなさんに解説してきた、移動平均線やフィボナッチリトレースメントの水準が株価の反転ポイントになっているということは、まさに現在の売買判断を行う上で有効に機能していると考えられるのではないでしょうか。
もちろん、必ずそうなるということではありませんが、窓について学んでいれば、事前にこの水準で下げ止まるのではないかといった予想がたてられたことになり、実際の売買にも役立つと考えられるわけです。
では、今後の動向についてですが、3日に核実験が実施され、4日は5日移動平均線を下回る結果となっています。
そのため下落が続いた場合、再び200日移動平均線や50%押し水準で下げ止まるかが注目ポイントになりそうですので、引き続き注目すると同時に、終値でこれらの水準を割り込んでしまった場合は警戒が必要になるのではないかと思われますので注意したいところです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

マネックスからのご留意事項

「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧