第128回「JASDAQ-TOP20 ETF」 ETF解体新書

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第128回「JASDAQ-TOP20 ETF」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。日本の株式市場ではどうしても大型株に注目が集まりがちです。しかし、小さく始めて大きく育てることが投資の醍醐味とすれば、中小型株式をパッケージで保有できるETFの利便性は決して小さくありません。日本の新興市場の中でも、老舗といえるのがJASDAQ市場です。8月31日現在、JASDAQ市場には750の企業が上場していますが、その中から代表的な20社をピックアップした「JASDAQ-TOP20上場投信」(1551)があります。当該ETFは2010年12月に上場、JASDAQ-TOP20指数との連動を目指します。運用会社はシンプレクス・アセット・マネジメント。売買単位は10口単位で信託報酬は年0.54%(税込)です。
当ETFはガンホーがきっかけで注目され始めました。2012年、ガンホーはパズル&ドラゴンズ(パズドラ)の大ヒットで、2013年にかけて株価が急騰します。同社は「JASDAQ-TOP20 ETF」に組入れられていたため、当該ETFの価格も急上昇しました。当初、数%程度の組入れ比率だったガンホーですが、株価が何十倍にもなったため、「JASDAQ-TOP20 ETF」における組入れ割合が膨らみます(ガンホー一社で50%を超えたこともありました)。
また、株価が高くなりすぎたため、個別でガンホーの株を買えなくなった投資家が当該ETFを購入する動きが広がりました(その後、ガンホーは東証一部に市場変更します)。
過去を振り返れば、楽天、第一興商、セブン銀行などJASDAQ市場から東証一部に鞍替えした企業は多いです(つまり、JASDAQ-TOP20 ETFの銘柄も変遷を重ねているということ)。

現在、当該ETFの組入れ銘柄は、比較的業種の分散がされ、保有比率が突出する企業もなく、バランスのよい状態となっています。業種別の比率は、情報・通信業32.5%、機械23.3%、小売業23.3%、電気機器7.3%、サービス業6.7%となっています。また、当該ETFの上位組入れ10銘柄は以下のようになっています(括弧内は組入比率)。
1.セリア(18.61%)100円ショップの運営会社 2.平田機工(17.46%) 3.インフォコム(8.53%)情報システムの企画・開発 4.日本マクドナルド(7.55%) 5.ハーモニック・ドライブ・システムズ(7.46%)精密減速機の開発・製造 6.デジタルガレージ(6.78%) 7.エン・ジャパン(5.95%)求人求職情報サービス 8.アイサンテクノロジー(5.30%)測量・土木のソフトウェア会社 9.クルーズ(3.62%)ファッション通販 10.メイコー(3.19%)です(いずれも8月31日現在)。セリア、日本マクドナルド、ハーモニック・ドライブ・システムズは時価総額が4,000億円を超え、中型株式と呼べる陣容です。会社の規模が多彩で、新旧さまざまな業種が組み込まれているJASDAQ市場に注目されてはいかがでしょうか。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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