第131回「ナスダック市場に投資するならQQQ」 ETF解体新書

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第131回「ナスダック市場に投資するならQQQ」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。今から17年前の2000年3月10日、ナスダック総合指数は5,048ポイントの高値を付けました(当時のナスダック市場は、ITバブルを象徴するマーケットだったのです)。しかし、その後ITバブルは崩壊。2002年に同指数は1,100ポイントまで落ち込むことになります。現在、ナスダック総合指数は6,764ポイント(11月3日現在)を付け、最高値を更新中です。ナスダック市場は先進国の株式市場の中でも、もっともボラティリティが大きい市場のひとつでしょう。
ナスダックとは、1971年に設立された電子証券市場を指します。IT、ハイテク関連の企業を中心に2,900社あまりの会社が上場しています。そのうち時価総額が大きい、非金融業の株式100社をピックアップして作られたのが「ナスダック100指数」です。そして、同指数との連動を目指すのが「パワーシェアーズQQQ」(QQQ)です。
当該ETFは1999年にナスダック市場に上場しました。純資産額はおよそ576億ドルで、現在米国で8番目に大きいETFとなっています。また1日あたりの平均出来高はおよそ2,600万口です(米国の投資家の間ではQubes(キューブス)という愛称で親しまれています)。運用会社はインベスコ・パワーシェアーズ・キャピタル・マネジメント LLC。年間の経費率は0.2%で、分配金は四半期毎に出されます。QQQは上位組み入れ10社で、純資産額のおよそ51%を占めます。アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベット、コムキャスト、インテル、アムジェンなど、組入れ上位の企業は錚々たる顔ぶれです。

当該ETFはさまざまな点で変遷を重ねてきました。ひとつは業種の多様化です。当ETFのセクター比率を見ると、IT関連が61.55%、一般消費財20.55%、ヘルスケア10.30%となっています。近年、IT以外の業種比率が上昇しているのが特徴です。一例を挙げてみましょう。組入れ10位のアムジェンは世界最大の独立バイオテクノロジー企業です。また、組入れ28位のプライスライングループは、世界最大の売上高を持つオンライン旅行会社です。QQQのPERも低下しています。1999年当時、当該ETFのPERは34倍程度ありました(9月30日現在、当ETFのPERはおよそ22.9倍です)。そして、有配当企業も増えています。
特筆すべきは、時価総額において、ニューヨーク証券取引所との差が縮まっていることでしょう。1999年当時、ニューヨーク証券取引所とナスダック市場の時価総額には5倍の開きがありました。現在は2倍強にまで縮まってきています。筆者は、産業構造の変化が断続的に続いていけば、ナスダック市場が全米一のマーケットになる日が来ると考えます。
当該ETFのファクトシート(運用レポート)は こちら


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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