第2回 金融商品の数は天と地程の差がある 【特集】「20代、30代で必ず考えるべきお金のこと」

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第2回 金融商品の数は天と地程の差がある 【特集】「20代、30代で必ず考えるべきお金のこと」

前回、低金利だからこそ「創意工夫が必要です」と述べさせていただきましたが、20代、30代の皆さんは筆者の時代と比較すれば、格段に創意工夫ができる環境に恵まれていることを忘れてはなりません。筆者がFP(ファイナンシャル・プランナー)になる前の創意工夫と言えば、株式、転換社債、ワラントへ投資する程度しか方法はなかったのです。

投資信託もあるにはあったのですが、当時は追加型よりも単位型が主流で、筆者のサークルの後輩から購入を促されたことを覚えています。悪い先輩だったので確か購入はしていないはずです。

ちなみに、筆者が初めて購入した投資信託は、40代以上の人には懐かしい「中期国債ファンド」でした。定期預金よりも運用実績がよく、流動性が高いという理由から購入したと記憶しています。

その後、株式投資にも目覚めたのですが、当時はインターネット証券などというものは存在せず、売買注文は店頭で株価端末を見ながら、あるいは電話でのやり取りでした。さすがに職場から売買注文を出すわけにはいかないので、お昼休みに公衆電話から売買注文を出しました。指し値注文を出したのですが、当日は売買が成立していなかったはずです。どんな銘柄を購入したかは伏せさせていただきますが、電話での初めての売買注文は妙にドキドキしたことを昨日のように記憶しています。撤去されていなければ、電話した公衆電話の場所も覚えているくらいですから。

筆者の経験ばかり述べるわけにはいきませんので、皆さんの今の投資環境を見回してください。株式の売買注文はインターネットや携帯電話などが普通になっていますので、売買注文に煩わされることはありません。株式であれば、数万円の取引だって、投資信託であれば1万円の注文だって恥ずかしがらずできるはずです。これがもし店頭や電話であれば、筆者であれば窓口の人に気を使ってしまって取引をできない気がしてしまいます。

現在では、売買の注文や商品分析だって、思い立ったが吉日ではありませんが、時間を気にすることなくできます。昔と比べてなんとすばらしい環境なんだろうと筆者は日々感じています。さらに、金融商品の数ですら、筆者の20代の頃と天と地程の差があるのです。例えば、投資信託や外貨建てMMFを利用することで、国内に居ながら簡単に海外へ投資できます。インデックスファンドやETFを使うことで市場全体に投資もできるのです。

昔は信用取引だって資産家しか取引することができなかったのです。FXのようなレバレッジを活用できる金融商品が個人投資家の身近に感じることになるのは本当に最近のことでしたから。「金融商品の数がありすぎで何を選んだらよいかわからない」という声を聞くことがありますが、筆者の20代の頃と比較すれば何と贅沢な悩みという気になってしまうのです。創意工夫ができる環境にあるのですから、20代、30代のうちから少しずつ投資を始めて慣れておくことに越したことはありません。なぜなら、仕事には定年退職があるかもしれませんが、お金の運用にはリタイアはないからです。

コラム執筆:深野 康彦
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士) 1962年埼玉県生まれ。

大学卒業後、クレジット会社を経て1989年4月に独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務を研鑚。

1996年1月に独立し、現在のファイナンシャルリサーチ(2006年1月設立)は2社目の起業。FP業界暦23年目のベテランFPの1人。各種新聞、マネー誌や経済誌、各種メールマガジンなどへの執筆や取材協力、テレビ・ラジオ番組などの出演を通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。

著書に『これから生きていくために必要なお金の話を一緒にしよう!』(ダイヤモンド社)

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