マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
2011年もそろそろ終わろうとしています。20代、30代以外の人を含め、皆さんの今年の資産運用の成果はいかがでしたでしょうか。今年の世界のマーケットは惨憺たる状況だったため、運用の成果がプラスだった人は少ないと思われます。何を隠そう筆者も今年の運用の成果は惨憺たる状況でした。ただ、資産運用は1年で終わるわけではありません。
1年ごとの運用の成果に一喜一憂しないように心がけています。一喜一憂はしないとは言いつつも、年末には必ず資産の棚卸しをして、その年の反省をします。同時に、来年の運用方針も決めるようにしています。運用方針を決める際には、当然、来年のマーケットの見通しも考慮する必要があります。というのも、ポートフォリオのコアな部分を大幅に変更することは、よほどのことが起こらない限りないと思いますが、サテライト的な部分や、自分が興味を持ったアセットクラスの扱いをどうするか考えるためです。さらにFP的な観点からは、数年先のライフイベントも考慮することを忘れてはなりません。
筆者の場合、2012年にまとまった資金が必要なライフイベントはありませんが、2013年度には上の子が大学受験、下の子が高校受験を控えていますので、少しサテライト部分のリスクを押さえよう、あるいは毎月の積立は現金部分を増やしておこうなどと考えています。20代、30代の皆さんは、筆者の話に実感がわく人、なかなか実感がわかない人がいるかもしれませんが、将来皆さん自身が経験されるときに理解できると思います。
話が筆者自身のことにそれ過ぎてしまいましたが、2012年も世界のマーケットは今年の状況から大きく変わることはないと予測しています。もしかしたら、2012年だけではなく、混迷はやや長引くかもしれないとも考えています。国内株、中でも日経平均株価に連動するような個別株は依然として厳しい状況が続き、為替は円高基調、金利は低金利が続くと思われます。
このような予測の下、私の資産運用をどうするかですが、サテライト的な部分では、為替ヘッジありタイプの投資信託を検討してみようと考えています。国内株に関しては、上昇相場だけではなく、下落局面でも収益が確保できるようなブル・ベア型を考えたのですが、筆者は機動的に動けるタイプではありません。そこで、ヘッジファンドのような絶対収益追求型ファンドであれば、ファンドマネジャーが機動的に運用してくれるはずと考えました。
ネット証券専用ファンドシリーズの「AR国内バリュー株式ファンド」は、筆者の考えを代弁してくれるようなファンドです。わが国の株式と株価指数先物を組み合わせた運用により、絶対収益の獲得を目指す運用スタイル。しかも、主要投資対象はわが国の中小型バリュー株式です。わが国を代表するような大型株がグローバル競争で苦戦を強いられていることから、当面、中小型株式優位状況が続くと思われてなりません。加えて、株式の実質組み入れ比率を調整することで下落局面の損失を低減し長期的に安定したリターンを目指すことを謳っています。
投資信託の欠点の1つは、決められた運用しかできないこと、かつ基本的に上昇相場を取りにいく運用スタイルです。かつてのように株価の本格的な上昇トレンドを描きにくい経済状況下においては、上昇局面だけではなく下落局面でも収益を確保する、あるいは下局面の損失を低減できる2刀流的な運用スタイルが求められると思われます。設定間もないファンドであるため、マンスリーレポートはまだ開示されていません。12月22日現在の基準価額9,950円から計算する設定来の騰落率はマイナス0.5%。同期間の日経平均株価の騰落率マイナス0.98%と比較すると好調なスタートを切ったといえるでしょう。今後の運用成績に期待を抱かせるファンド、それがみずほ投信投資顧問が運用する「AR国内バリュー株ファンド」です。ポートフォリオのコア資産にはやや入れにくいファンドですが、サテライト的な運用スタイルとして国内株式ファンドに振り向ける資金の一部で購入しておきたいファンドの1つと言えるのではないでしょうか。
コラム執筆:深野 康彦
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士) 1962年埼玉県生まれ。
大学卒業後、クレジット会社を経て1989年4月に独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務を研鑚。
1996年1月に独立し、現在のファイナンシャルリサーチ(2006年1月設立)は2社目の起業。FP業界暦23年目のベテランFPの1人。各種新聞、マネー誌や経済誌、各種メールマガジンなどへの執筆や取材協力、テレビ・ラジオ番組などの出演を通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。
著書に『これから生きていくために必要なお金の話を一緒にしよう!』(ダイヤモンド社)
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「ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド 愛称:サムライバリュー」の取引に関する重要事項
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